2014 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25285050
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
原 暉之 北海道大学, 名誉教授 (90086231)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹野 学 北海商科大学, 商学部, 准教授 (00360892)
バールィシェフ エドワルド 筑波大学, 図書館情報メディア研究科(系), 助教 (00581125)
井竿 富雄 山口県立大学, 国際文化学部, 教授 (10284465)
井澗 裕 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 学術研究員 (10419210)
神長 英輔 新潟国際情報大学, 国際学部, 准教授 (40596152)
兎内 勇津流 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 准教授 (50271672)
塩出 浩之 琉球大学, 法文学部, 准教授 (50444906)
三木 理史 奈良大学, 文学部, 教授 (60239209)
田村 将人 札幌大学, 学術交流オフィス, 専門員 (60414140)
池田 裕子 東海大学, 札幌教養教育センター, 准教授 (90448837)
天野 尚樹 北海道大学, スラブ・ユーラシア研究センター, 学術研究員 (90647744)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 日本史 / ロシア史 / サハリン / 樺太 / 国際研究者交流:ロシア |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、論文集『革命・出兵・占領:1920年代のサハリン島』の執筆完成を主目的として活動した。1917年のロシア革命以降、内戦下のロシアに干渉するために日本軍が出兵し、サハリン島を含むロシア極東地域は動乱期に入る。1920年から25年まで、日本軍はサハリン島北部を占領し、すでに日本領である南部樺太と合わせて事実上、全島を支配下におく。本論文集は、この占領前後のサハリン島の歴史を総合的に解明するため、分担者を中心に幅広い検証をおこなう。本年度は、各自が執筆作業を進めると同時に、総合的な歴史分析とするために、札幌で3度の研究集会をおこなった。そこでは、執筆者が一堂に会して、各自の研究内容を報告し討議することによって、統一された全体像を執筆者全員が抱くことができた。本年度末に原稿は提出され、平成27年度中の出版を目指して現在編集作業に入る段階にある。 当該テーマは、日露の境界領域であるサハリン島史においても研究上の空白がとりわけ大きい。ロシア側でも史料上の制約から、日本での研究の進展に大きな期待がもたれている。そこで平成26年10月、ロシア連邦ユジノサハリンスク市で開催された国際シンポジウム「世界紛争:グローバルな視点と地域の視点」に分担者3名を含む4名の執筆者が参加し、報告をおこなった。日本側の報告には大きな関心が寄せられ、討論時間のほとんどが、日本人報告者に対する質疑応答にあてられた。報告内容は近くロシアで出版される予定である。 本研究の重要課題のひとつに研究基盤となる基本資料の共有がある。昨年度から継続している『樺太日日新聞』のデジタル化は本年度中に終了し、関係者の利用に供されている。樺太史の基本資料である同新聞は、研究者の勤務地に関わらず利用可能になったことは、樺太史研究全体の底上げに大いに資するものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の最重要課題である論文集『革命・出兵・占領:1920年代のサハリン島』は、執筆作業もほぼ終了している。執筆者が全体の内容を把握したうえで、各自の分担テーマを執筆することができており、単なる寄せ集めではない、統一された歴史分析という目的は果たされつつある。また、ロシア史に関わるテーマについては、ロシア人研究者との討議もふまえられ、国際的な水準に達するものとなっている。 資料基盤の共有についても、基本資料である『樺太日日新聞』のデジタルデータ化作業が計画通りに進展している。 以上の点から、本研究の達成度は、おおむね順調に進展していると評価できる。
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Strategy for Future Research Activity |
論文集『革命・出兵・占領:1920年代のサハリン島』については、出版助成のための査読を受けた後、各自の修正と本格的な編集作業に入る。編集作業は、代表者と分担者2名から成る共編者を中心におこなう。 本研究の最終課題である、第二次大戦期に関する論文集『日ソ戦争とサハリン島』は、平成27年度より本格的な準備に入る。分担者を中心に執筆者を選定し、8月には第1回の執筆者による研究集会を札幌で開催する。また本論文集は、ロシア人との共同研究を予定している。9月に、ユジノサハリンスク市で開催される国際シンポジウム「第二次世界大戦とその教訓」に分担者の一部が参加し、研究報告をおこなうとともに、ロシア人執筆予定者との打ち合わせをおこなう。 サハリン島近現代史研究の基礎研究として、日本領樺太に関する通史『樺太40年史』、および、第二次大戦後サハリン史のロシア側の基本文献であるエレーナ・サヴェリエヴァ『戦後サハリン島社会の形成』の翻訳を、分担者を中心として進め、本年度中の出版を予定している。 資料基盤の共有作業については、日露戦争期サハリン島に関する史料集、および、サハリン島朝鮮人に関するインタビュー集の編纂を進め、平成27年度中に刊行する。
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Research Products
(25 results)