2014 Fiscal Year Annual Research Report
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25285134
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
矢作 敏行 法政大学, 経営学部, 教授 (40230289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新倉 貴士 法政大学, 経営学部, 教授 (20278774)
浦上 拓也 神奈川大学, 経済学部, 教授 (40387585)
岸本 徹也 流通科学大学, 商学部, 教授 (00405929)
西川 英彦 法政大学, 経営学部, 教授 (10411208)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アンバンドリング / 脱構築戦略 / 価値創造 / コンビニエンスストア / アプリ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、ICT(情報通信技術)を中心とした社会システムの革新により、従来、小売店舗単位で提供していた流通機能の束がアンバンドリング(解体)し、新しい流通関連諸機能の組み換えが起きている先端的な状況に焦点を当て、そこでの事業モデルや競争状況を検討し、その成果を「流通デコンストラクション(脱構築)戦略論」として提示するものである。 平成26年度は、研究テーマの新奇性・流動性から昨年度に引き続き、研究代表者と分担者がそれぞれに、消費者主導型のコミュニケーションの発展やO2O(online to offline)型流通事業モデルの台頭等の主要な潮流に関する情報収集活動を行うと同時に、その主要な潮流に関する邦文・英文の研究論文を整理し、先行研究を読み進めた。情報収集、先行研究の読み込みを通じて、モバイルアプリと消費者の購買行動を明らかにした論文や、消費者参加型の商品開発に関する論文等、本研究のいくつかの焦点を研究論文としてまとめることができた。 さらに、実務家を呼び研究会も開催した。個人の生活情報を共有するコミュニティウエッブサイトを運営する会社では、コミュニティサイトの情報やその利用者の検索キーワードの蓄積が、消費者の顕在・潜在需要を探るうえで重要なものとなっている。現在、その蓄積された情報がプラットフォームとなり、小売業やメーカーとの共同事業が進められている。また、生活関連品の製造小売業では、店舗をはじめ、会員の登録情報や、ネットのコミュニティ、アプリが基盤となり、消費者の情報探索行動から購買決定、代金決済、商品受け取りに至るトータルの行動を把握し、顧客価値の向上を目指している。 実務家との議論を通じて、流通機能のアンバンドリングの現状と問題点や今後の課題について理解を深めることができ、今後のさらなる事例研究や消費者調査を進めていく上での分析の観点を獲得することができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度、情報収集や先行研究の読み込みを進め、一部を研究論文としてまとめることができた。しかし、研究テーマ自体の性格が、流通動向の最先端部分を対象とし、なお且つ、流通活動全般に及ぶことから、それを捉える明確な分析フレームの構築が遅れているためである。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の研究計画と比較して全般的な遅れはあるものの、本年度の研究を通じて分析フレームを構築するポイントは掴めてきた。今後は、研究活動のペースを上げ、共著による成果物を意識した作業を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
少額ではあるが、やむを得ず生じてしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究費の管理に注意し、効果的に利用していく。
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Research Products
(15 results)