2014 Fiscal Year Annual Research Report
震災復興における新しいステークホルダーの合意形成とコミュニティの再生に関する研究
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25285155
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
吉野 英岐 岩手県立大学, 総合政策学部, 教授 (90305318)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高木 竜輔 いわき明星大学, 人文学部, 准教授 (30512157)
内田 龍史 尚絅学院大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (60515394)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 震災復興 / 仮設住宅 / 町内会 / 自治会 / 国際学会 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は研究代表者と2名の研究分担者による研究会を2回(研究初年度からの通算で第4回と第5回)開催した。また、9月3日に吉野と高木は国際学会であるアジア農村社会学会大会(ラオス・ビエンチャン)で、研究成果の一部を英語で報告した。また平成27年3月15日の震災問題情報連絡会・東日本大震災研究交流会(明治学院大学)で、吉野と高木が研究成果の一部を報告した。また出席していた複数の連携研究者と研究内容について意見交換をした。そのほかそれぞれが研究成果の一部を論文として発表した。 第4回研究会は8月27日にいわき明星大学で開催した。研究代表者の吉野からは岩手県釜石市における全町内会長を対象にした津波被災後から現在までの経過に関する質問紙調査の計画が提示された。研究分担者の内田からは宮城県名取市の市民の震災の記録を作成に関する報告がなされた。同じく高木からは福島県広野町の原発事故で避難しその後帰還した女性住民への聞き取り調査の結果が報告された。これらについて研究者間で協議を進め、今後の共同調査のテーマについて検討した。 第5回研究会は平成27年3月5日に岩手県立大学アイーナキャンパス(盛岡市)で開催した。吉野からは釜石市に上述の質問紙調査の実施状況が報告された。内田からは名取市および岩沼市の仮設住宅での生活状況調査や自治会長への調査に関する報告がなされた。高木からは福島県沿岸部自治体に帰還した自営業者への聞き取り調査の結果が報告された。その後、これらの結果にもとに今後の共同調査のテーマについて検討した。 また農村社会学会大会(ラオス・ビエンチャン)の報告では海外の研究者に東日本大震災に関する適切な情報提供と復興の進展について報告した。震災問題情報連絡会・東日本大震災研究交流会(明治学院大学)での報告では、復興過程と今後問題になってくる課題について事例を交えて報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者と研究分担者が共同で現地調査を実施するまでにはいたっていないが、それぞれが居住し研究活動を行っている被災3県(岩手・宮城・福島)の復興状況や課題について情報共有を進め、共同研究を進める基礎を構築した。また、ラオスで開催されたアジア農村社会学会で2名が英語で発表を行うことで、海外の研究者にむけて広く研究成果を発信することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、研究代表者と2名の研究分担者が共同で同じフィールドで現地調査を行い、同じ研究課題について、それぞれの視点から研究を実施できるようにする。特に、震災から丸4年が経過し、復興の段階は仮設住宅から恒久住宅や災害公営住宅への転居が進みつつある段階にある。また、原発避難地域では本格的な帰還にむけた動きが加速化しつつある。こうした状況をふまえて、復興過程における各地域社会でのステークホルダーの洗い出しや争点の明確化、そして課題解決にむけた道筋の分析を進めていく。
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Causes of Carryover |
平成26年度は連携研究者をいれた全体会議を開催する予定であったが、開催を予定していた時期に、震災関連の別の会議があり、研究代表者、研究分担者そして多くの連携研究者が一堂に会す機会があったため、その分の旅費の支出がなくなった。 また、調査結果を入力分析するための人件費と調査対象者への謝金を用意していたが、本格的な合同調査を研究3年目の平成27年度に実施することにしたため、その分の経費を次年度に繰り越すこととした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度には計画通り連携研究者をいれた全体会議を開催するので、繰り越した旅費をその費用にあてる。 また、平成27年度に合同調査を実施する予定なので、その分の経費として旅費と賃金・謝金を使用する。
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Research Products
(21 results)