2014 Fiscal Year Annual Research Report
全国代表サンプルによるストレス対処力SOCを規定する社会的要因に関する実証研究
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25285157
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Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
戸ヶ里 泰典 放送大学, 教養学部, 准教授 (20509525)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 喜比古 日本福祉大学, 社会福祉学部, 教授 (10174666)
中山 和弘 聖路加国際大学, 看護学部, 教授 (50222170)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 健康生成論 / 首尾一貫感覚 / 尺度標準化 / 国際比較 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度の実施内容は、大きく2点である。 第1に、平成25年度末に実施した全国調査データについて、データクリーニング及び基礎分析を実施した。データクリーニングについては分担研究者4名で実施した。基礎分析については、研究目的の一つである、SOC-13スコアの標準化を視野に入れ、性年齢別、居住地別にスコア分布を算出した。また、下位3尺度別の使用についても検討を行った。 その結果、平均得点(SD)は59.0(12.2)点であり、男女間で有意差は見られなかった。また、年齢階層間では、25~34歳代と45歳以上、35~44歳代と55歳以上とで有意差が生じており、年齢が上昇するほど高いスコアである傾向が示された。地域別の検討においては全国11区分で年齢調整平均値を比較したところ、有意差は見られなかった。下位3尺度別の使用については、因子的妥当性は確認されたが、クロンバックα係数は.63~.72であった。また、有意味感では、性差がみられており、男<女の結果であった。 第2に、国際比較分析を実施するために、スコットランド及びカナダにおける全国調査の個票データ入手作業を両国のデータアーカイブより実施した。データについては個票データレベルで使用できるよう調整作業を行った。 以上についてSOC尺度の標準化が行われたことにより比較可能性が高まったといえる。また、国際比較データ取得およびその調整については、今後比較分析を進める上で極めて重要な作業成果となったといえる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度である平成25年度に調査実施が終了したことから、2年目の平成26年度は、当初の予定であった、全国調査のデータクリーニングおよび、データ取得作業は順調に終了し、分析および公表作業についても進んでいる。
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Strategy for Future Research Activity |
大きく3点の方向で研究実施を行っていきたい。 第1に、論文公表作業についてである。昨年度までに実施した分析成果について投稿論文化を行っていく。 第2に、社会的要因(社会経済的地位、幼少期の家族背景、社会関係、ソーシャルキャピタル的変数)とSOCとの関連性の検討に関する分析を行っていく。 第3に、国際比較データを用いて、カナダ、スコットランド両国との比較分析を実施していく。
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Causes of Carryover |
海外論文公表における掲載料分について、複数論文で、年度内での掲載決定に至らなかったため次年度繰越としている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度中における掲載時に掲載料として使用する。また、別の投稿論文作成時に、投稿料、掲載料として使用する計画である。
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Remarks |
調査協力者および一般市民向けの調査結果報告用のサイトを作成した。
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Research Products
(5 results)