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2014 Fiscal Year Annual Research Report

日本人のパーソナル・ネットワークの変化を捉える

Research Project

Project/Area Number 25285158
Research InstitutionJapan Women's University

Principal Investigator

石黒 格  日本女子大学, 人間社会学部, 准教授 (90333707)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 野沢 慎司  明治学院大学, 社会学部, 教授 (40218318)
三田 泰雅  四日市大学, 総合政策学部, 講師 (30582431)
針原 素子  東京女子大学, 公私立大学の部局等, 講師 (80615667)
Project Period (FY) 2013-04-01 – 2016-03-31
Keywordsパーソナル・ネットワーク / ICT / 係時的比較 / 都市度 / 家族意識 / ソーシャル・サポート
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、ICT普及前後の日本人の社会関係の変化を検討することを目的とする。その目的のため、1993年にニッセイ基礎研究所が行った調査を再実行し、分析結果を比較することが最大の作業である。
本年度は、その再調査を6月から7月にかけて実施した。山形県山形市ならびに埼玉県朝霞市に在住する25~65歳の、年齢の近い女性と同居している男性を、それぞれ800名抽出し、コンタクトの上、同居女性と配偶関係がある場合に調査を行った。有効回収数は、山形市で男性390名、女性406名、朝霞市で男性354名、女性376名だった。
本研究は、先行調査との結果の比較を最大の目的としているため、質問項目の内容は、最大限、先行調査と一致させた。職業コードの変更と、両親、義両親、もっとも親しい友人との接触手段として、携帯電話の通話と、メディアを問わないメールならびにSMSを追加したのみである。現在までの分析結果から、得られた成果は以下の通りである。

(1)「親しく、頼れる人」の総人数は分布の下半分で低下したが、その変化はわずかである。(2)20代の女性でのみ、分布の上半分、特に上端付近が大きく増加した。女性の場合、40代より上では、全体に社会関係が減少した。(3)男性でも、同様のパターンが見られるが、20代の増加が有意ではない。(4)近距離関係は、全体に減少した。特に、山形の男性で減少幅が大きい。(5)遠距離関係は増加した。(6)「もっとも親しい友人」との接触頻度は減少した。(7)「もっとも親しい友人」との属性的な同類性は増加した。(8)世代を問わず家族意識は平等主義的な方向に変化したが、男性に稼得を求める態度の変化は小さかった。(9)男性の家事参加は増加した。特に、朝霞で増加量が大きい。(10)拡大親族、近隣への援助依存度は減少し、直系核親族、友人、職場への援助依存度は増加した。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

調査は予定よりもやや遅れたものの、ほぼ先行調査と同時期に実施された。サンプリングなどの実査プロセスに重篤な問題が生じることもなく、回収数も、20年前よりも低下したが、想定の範囲内である。
データの分析についても、各自が作業を進めており、研究会での発表で進展が確認されている。本調査のデータに基づいた成果は刊行されてはいないが、社会学、社会心理学においては、この期間に査読を通過することは現実的には期待できない。成果一覧にあるように、先行研究を中心とするデータの二次分析を用いた成果は報告されている。

Strategy for Future Research Activity

調査報告書の刊行を、平成27年度末に行う。また、データ分析を行い、各自が学会報告、論文執筆を行う。

Causes of Carryover

調査後、おおよそ半年で、26年度の本調査の重要性が明らかになるのと同時に、生じた変化が、人々と社会に対してもつ意味が、先行調査に含まれた質問項目だけでは十分に理解できないことも明らかになった。そこで、研究会で27年度に追加調査を行う可能性が議論された。その上で、小規模な追加調査を実施することが決定された。そのための資金を残すため、旅費、物品費を中心に支出を減らした結果として、翌年度への繰り越しが発生した。

Expenditure Plan for Carryover Budget

予想されていたことだったが、1993年に行われた調査を忠実に再現した26年度調査では、社会関係の変化がICTによって生じたと断定するのは難しい。また、社会関係の変化が、幸福感に代表される人々の適応と関わるのかを検討することも困難である。
そこで、本年度は、ICTの利用と精神的適応を測定項目に含めた追加調査を行い、本調査で確認された様々な変化と、ICT利用並びに精神的適応との関係を検討する。実査作業のうち、質問紙や封筒の印刷ならびに封入作業を業者委託するが、そのための委託費用として、繰越額が用いられる予定である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2015 2014

All Journal Article (2 results) (of which Acknowledgement Compliant: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (2 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 朝霞市・山形市における家族意識の変化2015

    • Author(s)
      三田泰雅
    • Journal Title

      四日市大学総合政策学部論集

      Volume: 14 Pages: 21-37

    • Acknowledgement Compliant
  • [Journal Article] Marital relations and personal communities in urban Japanese settings: Structural effect and cultural context2014

    • Author(s)
      Nozawa, Shinji
    • Journal Title

      社会学・社会福祉学研究

      Volume: 143 Pages: 51-74

    • Open Access
  • [Presentation] 1997~2005年間のパーソナル・ネットワークの変化2014

    • Author(s)
      石黒格
    • Organizer
      日本グループ・ダイナミクス学会
    • Place of Presentation
      東洋大学(東京都文京区)
    • Year and Date
      2014-09-07 – 2014-09-07
  • [Presentation] カウント分位点回帰分析を用いた都市度効果の再考2014

    • Author(s)
      石黒格
    • Organizer
      第55回日本社会心理学会大会
    • Place of Presentation
      北海道大学(北海道札幌市)
    • Year and Date
      2014-07-26 – 2014-07-26
  • [Book] 現代日本における都市メカニズム:都市の計量社会学2015

    • Author(s)
      赤枝尚樹
    • Total Pages
      234
    • Publisher
      ミネルヴァ書房

URL: 

Published: 2016-06-01  

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