2013 Fiscal Year Annual Research Report
「新しい公共」枠組み下のソーシャル・ファイナンスを通じた教育資源調達手法の研究
Project/Area Number |
25285211
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高見 茂 京都大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (60206878)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小松 郁夫 常葉大学, 教育学部, 教授 (10130296)
植田 みどり 国立教育政策研究所, その他部局等, 研究員 (20380785)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 教育資源調達 / ソーシャル・ファイナンス / 地域金融 / 社会的責任投資 / コミュニティ開発機関 |
Research Abstract |
本年度は、市場を活用した教育部門への融資・投資枠組みの類型化を試み、その構造と機能を解明するための準備作業を完了した。国内については、NPOバンク等の地域金融システムのリストアップとホームページ等での概要調査、地域密着型金融機関のリスト作成と地域金融機能の教育機関への対応状況についての資料収集を実施した。すなわち市場を活用したソーシャルファイナンスが、 教育制度の整備充実、教育水準の維持・向上に影響力を持つ可能性があるのかないのかを26年度に具体的に探るための基礎作業を実施した。質問紙調査を実施するための準備も同時並行して進めた。他方、外国についても資料収集を進めた。英国、米国のケースを中心に、教育部門への投融資機関の類型化を試みた。先行研究に沿って3つのタイプを見出し、投融資機関に関する収集情報ー特に営利性と投融資対象の違いによってさらに細かな類別ができるかどうかも検討した。さらに教育にとって効果的な投融資機関についての資料収集も試みた。米国、英国の場合、非営利の投融資機関が極めて有効であることまでは確認できたので、26年度の現地調査のための準備を進めた。加えて、英国・米国で普及しているコミュニティ開発機関、ソーシャルバンク、途上国におけるマイクロクレジット、近年盛んになりつつある社会的責任投資の有効性についても本格質問紙調査をするための資料収集等準備作業を進めた。また、いくつかの機関については、26年度に現地調査も予定していることから候補対象の選定の準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
昨年度の申請書類に記載した内容については着手しているが、実際の作業の準備に時間を思いの外多く取られてしまった。作業準備は完了したが、アンケート調査の実施や、ヒアリング調査が限定的な部分しか実施できなかった。遅れた部分については26年度に実施予定ということで「やや遅れている」という評価とした。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度の課題で十分対応できていなかったこと(アンケート調査の調査票の配布)を最優先で進める予定である。そしてその結果の分析作業を推進するとともに、今年度の現地ヒアリング(国内調査、海外調査)を実施する。また「わらしべ金」構想の有効性についても具体的関連データを基にシミュレーションをする予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初予定していたアンケート調査の実施ができず、準備までしか平成25年度には実施できなかったことや、いくつかの外国のソーシャルファンドへの現地での試行調査についても予定通り実施できず、平成26年度に繰り越して実施することになったことによる。 平成25年度中に実施できなかった課題、すなわち国内の地域金融金機関に対するアンケートの実施、英国、米国のソーシャルファンドに対する試行調査の確実な実施費用として使用する予定である。
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