2013 Fiscal Year Annual Research Report
教師の責任と教職倫理に関する社会学的・文化論的研究
Project/Area Number |
25285227
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
久冨 善之 一橋大学, 名誉教授 (40078952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 哲也 一橋大学, 大学院社会学研究科, 准教授 (10375214)
長谷川 裕 琉球大学, 法文学部, 教授 (30253933)
中田 康彦 一橋大学, 大学院社会学研究科, 教授 (80304195)
福島 裕敏 弘前大学, 教育学部, 准教授 (40400121)
松田 洋介 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (80433233)
本田 伊克 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (50610565)
山本 宏樹 東京理科大学, 理工学部, 助教 (20632491)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 学校組織 / 学校文化 / 教員文化 |
Research Abstract |
平成25年度には、第1に、「教師の責任と教職倫理」に関する文献・事例を分担して検討し、研究の理論的枠組みを明確にする課題に取り組んだ。7月、9月、12月、3月の4度の研究打ち合わせ会を行い、研究メンバーそれぞれが「教師の責任」「教職倫理」「体罰事件」「いじめ自殺事件」「東日本大震災での教師の責任の問われ方」「教職倫理の教員文化論」などのテーマについて報告し、課題を多面的に議論した。それを踏まえて平成26年度に実施する教師対象調査研究の課題焦点、調査での追究点について、明確にする理論枠組みの構成を目指した。それは、「教員文化」を中心に置き「社会変化・政策変化」「教師への責任追及風土」「教師自身の責任意識と倫理」「教職アイデンティティの確保と撹乱」といった諸ファクターの相互連関を捉えるフレームワークである。 第2に、教師対象の質問紙調査の質問項目および対象把握について検討した。これまでに実施されている「教職生活」「教職観」「教師の集団関係」の教師対象質問項目を検討し、それに「教師の責任と教職倫理」の領域で加える項目を明確にした。また、東京都、岩手県、宮城県について、調査対象把握の可能性を打診した。またこれと並行して、10年前(平成16年)に科研費研究で教師対象質問紙調査を全国9地点・64学校で実施したその学校の在職教師たちに「10年前と比較できる形で調査実施する」可能性を検討した。 総じて平成25年度は、先行させることとした教師対象質問紙調査の実施へ向けて、その前提としての「理論枠組み、質問項目、調査対象」の可能性ある検討を進め、実施準備を共同で進めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究の土台となる理論枠組みに関して、有効な議論を経てフレームワークの基礎について研究メンバー間の合意に到達したことは順調な進行になった。 また、調査研究のメインである「教師対象質問紙調査」について、その枠組み、質問項目、調査対象について、一定の見通しが持てた点でも前進した。 ただし、教師へのインタビュー調査、生徒・親への質問紙調査は、その実施を平成27年度としたので、その検討は平成26年度の課題とした。 また、学校・教師の責任を問う歴史的・現代的事例検討は、予定通り平成26年度~27年度の課題となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
調査研究の中心となる「教師対象質問紙調査」を平成26年度に実施するに当たり、その質問紙原案を年度の早期に作成して、プリテストを行うと同時に、10年前(平成16年度)の同趣旨調査の実施校に、10年後の比較のための調査実施を依頼する点が今年度のポイントになる。そこで一定の協力学校が得られれば、教員文化の組織的側面と責任・倫理意識との関連を追究できるので、非常に有効な調査となる。 ただし、対象数の不足が考えられるので、その場合は、当初予定の6都府県における教職員名簿からのランダムサンプリングによる郵送・回収調査を合わせて行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
教師質問紙調査の対象を、当初6都府県の教職員名簿からのランダムサンプリング主体と考え、平成25年度中に6都府県での資料集めとその分析を企画していたが、調査対象を変更し、平成16年度実施の全国9地域、64校にまず当たることにした。 その結果、各都府県での資料収集とその整理・分析、そのためのアルバイト謝金などを平成25年度は使用しなかった。 教師質問紙調査の対象である、全国9地域について、実施予定の質問紙をあらかじめ送付し、手分けして訪問して改めて調査実施を依頼するその出張と依頼作業に使用する。 なお、依頼応諾数が不足する場合の補充調査のための、ランダムサンプリング作業にも使用する予定である。
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Research Products
(5 results)