2014 Fiscal Year Annual Research Report
教師の責任と教職倫理に関する社会学的・文化論的研究
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25285227
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Research Institution | Hitotsubashi University |
Principal Investigator |
久冨 善之 一橋大学, 名誉教授 (40078952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 哲也 一橋大学, 社会学研究科, 准教授 (10375214)
山本 宏樹 東京理科大学, 理工学部, 助教 (20632491)
長谷川 裕 琉球大学, 法文学部, 教授 (30253933)
福島 裕敏 弘前大学, 教育学部, 准教授 (40400121)
本田 伊克 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (50610565)
中田 康彦 一橋大学, 社会学研究科, 教授 (80304195)
松田 洋介 金沢大学, 学校教育系, 准教授 (80433233)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 教員文化 / 学校文化 / 学校組織 / 教師の責任 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は、全国10地域で小・中学校教師への質問紙調査を実施することに重点を置いた。まず質問紙の原案を分担して持ち寄り、5月の研究打ち合わせ会で集中的に検討、何度か修正の上で原案を作成、7月に関西のある県で200通郵送のプリテストを行った。それと並行して、全国8区市町村の教育委員会に「協力学校紹介」のお願いを行った。 プリテストを経て完成した質問紙の「学校を通じた教師への配布・回収調査」を、協力が早期に得られた4地域で8~9月に実施した。協力取り付けがやや遅れた4地域は、12~1月に実施して。その結果を10月と2月の研究打ち合わせで点検し、結果的に8地域、32小学校、18中学校、919人教師有効回答が得られた。 これとは別に、2つの県で「教職員名簿」からのランダムサンプリングによる、同じ質問紙の郵送配布回収調査を12月に実施した。その結果、2地域、385人教師有効回答が得られた。 これらのデータを打ち込み、第一次的に集計して、8地域教育委員会と協力50小中学校に、その結果を報告送付した。 また以上と別に、宮城・岩手の東日本大震災の津波被災地で、数市町村に「被災地教師への質問紙調査」を2月に依頼し、これは年度をまたいで実施中である。 総じて、平成26年度は、質問紙調査の実施とその第一次集計に重点を置いた。今後進める、テーマごとの集計・分析、地域間比較、10年前との比較、などの課題を追究する上で基本的データを得ることができ、また今後進める各地域での訪問・インタビュー調査の基礎資料を揃えられる条件ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
教育委員会を通じて依頼した8地域で、いずれも統計的な比較検討が可能な数の教師からの有効回答が得られた。また、教職員名簿からのランダムサンプリングでも郵送調査としては異例な30~50%の回収率の回答が得られた。これによって今後の集計と分析を、一定の信頼性あるものとして進める基盤が得られた。 また震災を通じて問われた「学校と教師の責任」をめぐるテーマについて、被災地の教育委員会と学校の協力が得られ、今後の研究の展望が開けた。
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Strategy for Future Research Activity |
現在ある1304人のデータを、追究分野テーマ、10年前との比較、地域間比較などについて、研究メンバーで分担して早期(5月初め)にその中間報告を持ち寄り検討する。 その結果を踏まえて、対象10地域について、より詳細な結果報告を行うとともに、地域・学校訪問、教師へのインタビュー調査などを依頼し実施することで、今日問われている課題である「教師の責任と教職倫理」に関して、量的データと質的データとを重ねた分析・追究を深めて行く。
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Causes of Carryover |
質問紙調査に対する協力が、予想以上の地域数・学校数で得られたので、平成27年度において、それら地域・学校を訪問し、質問紙調査結果を報告し、そこでインタビュー調査をお願いするために、その旅費が必要となった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
全国10地域と被災地とを、ある地域については共同で、ある地域については研究分担者が訪問し、可能な地域でインタビュー調査を実施する、その旅費とデータ整理費用とする。
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Research Products
(10 results)