2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25285240
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kansai University of International Studies |
Principal Investigator |
塚原 修一 関西国際大学, 教育学部, 客員教授 (00155334)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱名 篤 関西国際大学, 人間科学部, 教授 (90198812)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 教育学 / 教育政策 / 高等教育論 / 質保証 / 学習成果 |
Research Abstract |
1.高等教育の学習成果に関する、日本の最近の議論を整理した論考を執筆して学会誌に掲載した(『大学教育学会誌』36巻1号、2014年、印刷中)。 2.アメリカの高等教育におけるルーブリックを活用した学習成果の評価について好事例を訪問調査した。その成果の一部を口頭発表する(日本高等教育学会第17回大会、2014年、大阪大学)。ルーブリックを活用した評価とは、明確な証拠をふまえた絶対評価の一形態である。心理測定学にもとづく標準テストや学生調査が併用されることもあり、より高次ないし統合的な評価がめざされていた。ルーブリックを活用した評価の信頼性を確保するために、複数の教員がそれぞれ独立に評価を行い、結果を対比して整合性が確認されていた。それだけでなく、個別大学をこえた評価の信頼性を確保する場として大学コンソーシアムが機能していた。 今回の事例とした大学では、評価だけでなく、学生の学習に対する指導・支援も充実していた。とくに、ポートフォリオによって学生を個人単位で追跡している事例がみられた。評価との関連でいえば、学生調査の結果を統計的に分析するにとどまらず、回収した調査票を手元において回答した学生と面談し、そうした回答にいたった理由をたずねて理解を深めていた。 ルーブリックを活用した評価は、学生調査の実施やデータ分析をしばしばともなう。アメリカにはそれを支援する組織があり、調査や統計分析の教育機会や、調査・分析サービスを提供していた。とりわけ大学コンソーシアムは、志を同じくする大学の連携体として組織されていた。すなわち、そこでの大学間比較は、大学教育の質保証を担保するとともに、個別大学の改革を推進する良質な機関研究ともなっているようにみえる。 3.中南米の事例として、メキシコから高等教育の専門家を日本に招聘し、同国における学習成果の評価について説明を受けた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
中南米の事例として、メキシコの補足調査とブラジルの調査を計画していたが、調整が遅れて年度内に実施できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度には、本格的なブラジルの調査などに着手する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
中南米の事例であるブラジル調査などについて、調整に時間を要して平成26年度内に実施することができなかった。 平成27年度は、学習成果の評価に関する国際比較を中心に研究を継続する。学習成果の評価に関する各国の制度は、先行研究によっておおむね明らかにされていることが多い。これを前提に、本研究では主として運用の実態や影響などをふまえた学習成果の位置づけについて調査を行い、制度等については必要に応じた補足調査にとどめる。北米における調査は、学習成果の評価を推奨しているアクレデイテーション団体の地区にさしあたり注目する。中南米については、大学生を対象とした標準テストを国家的に実施している国をとりあげる。とくに、26年度に執行できなかった予算を用いて、ブラジルなどの調査をできるだけ早期に実施する。この部分については、費目別の内訳は26年度の想定をおおむね踏襲できると考えている。
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Research Products
(3 results)