2013 Fiscal Year Annual Research Report
分子生物学教材の開発研究を中心とした複製モデルによる生物教育の新概念構築と展開
Project/Area Number |
25285251
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
武村 政春 東京理科大学, 理学部, 准教授 (50303623)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山野井 貴浩 白鴎大学, 教育学部, 講師 (40567187)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 教科教育学 / 科学教育 / 遺伝子 / 生物教育 / 分子系統樹 / 複製 / セントラルドグマ |
Research Abstract |
本研究は、(1)生物の共通性と多様性を理解するための新規分子生物学教材の開発研究、(2)架空生物を用いた斬新な教育法の開発研究ならびに実践的研究、ならびに(3)学校・博物館等における生命現象の統一的説明に資する新概念の構築という3つの柱からなり、平成25年度は(1)と(3)を実施した。 (1)ア)「飛び出す絵本」形式で分子生物学におけるセントラルドグマをわかりやすく伝えることのできる新しい教材の開発に取り組み、セントラルドグマのうち「複製」ならびに「転写」において、その基本となる紙上での「動き」を表現した教材を開発した。イ)セントラルドグマを生徒自らが体で表現する類似ロールプレイ教材を開発した。ウ)生物の五界説とDNA抽出実験を組み合わせた生徒実習教材を開発すると共に、新旧教科書にみられる「DNA」「遺伝子」「遺伝情報」の表現のされ方、説明のされ方を網羅的にレビューした。エ)分子系統樹を作成する生徒実習教材のうち、すでに開発済みの「哺乳類編」に加え、「野菜編」を開発し、その成果を論文として発表すると共に(風間智子・山野井貴浩・武村政春, 身近な野菜を用いた分子系統樹を描く生徒実習教材の開発, 理科教育学研究 54, 34-35, 2014)、教員がホームページから自由にダウンロードし、自由に使用できるように整備した。 (3)オ)複製概念の生物学における通貫教育への有用性を検討するために、複製概念の歴史的変遷ならびにその成り立ちを明らかにし、その成果を論文として発表した(武村政春, 生物学用語としての「複製」もしくは『replication』使用に関する歴史的考察, 東京理科大学紀要(教養篇)46, 175-185, 2014)。カ)どうすれば生物の各階層を通貫する形で統一的な説明を行うことができるかにつき、「複製」概念を中心とした理論的検討を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
(1)ア)は、当初予定に比べてやや遅れているが、すでに「複製」「転写」を絵本でどう動かして表現するかについては基本的な検討が進んでおり、おおむね順調である。イ)も、当初予定に比べてやや遅れているが、すでに論文は投稿済みであり、全体的にみるとおおむね順調である。ウ)は、すでに論文を作成中であり、順調である。エ)は、当初予定のうち一部計画を変更し、すでに研究は完了している。 (3)オ)は、当初予定よりも早く研究目標を達成でき、すでに研究は完了している。カ)は、当初の予定通りに進行し、順調である。 以上のことから、本研究は「おおむね順調に進展している」と判断できる。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の研究は「現在までの達成度」に記載の通り、おおむね順調に進展している。そのため当初の研究計画調書に記載した研究計画の通り、研究を推進していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
未使用額が少額であるため、次年度に繰り越した方が妥当であると判断したため。 物品費(消耗品費)として使用する予定である。
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