2013 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ光電子融合機能デバイスにおける階層的励起輸送過程の研究
Project/Area Number |
25286067
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
堀 裕和 山梨大学, 医学工学総合研究部, 教授 (10165574)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 和治 山梨大学, 医学工学総合研究部, 助教 (70538165)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 先端機能デバイス / ナノオプティクス / 走査プローブ顕微鏡 / ナノ材料 / 応用光学・量子光工学 |
Research Abstract |
ナノ空間の電子・光融合系に基づく階層的励起輸送型新機能システムにおける機能評価の科学技術基盤の開拓と、非ノイマン型の情報処理機構を念頭に置いた新機能構造の探索を目的として、初年度研究を推進した。 初年度は複層の量子井戸構造を有する素子の表裏から同時にSTM制御の光近接場探針を操作して、励起輸送の素過程をより直接的に解明する新機能を有する装置開発に成功し、その基本特性を確認するとともに、これを適用するための素子構造の基盤部分の局部エッチング手法開拓をおこない、並行して複層化した希薄磁性半導体量子構造の励起輸送過程の磁場依存性についての計測とデータ解析手法の開拓を推進し、表面上の2探針走査に基づく励起輸送過程の実験研究との比較検討を行い、素子のポテンシャル構造の可視化とその制御可能性についての研究を進展させ多様な知見を得た。 ナノ空間での電子輸送と近接場光相互作用が組み合わさった励起輸送系の機能探索のために、粘菌を利用した複雑問題解探索をおこなう機能構造の素過程を分析し、圏とコホモロジーの観点に立った近接場相互作用の記述法の開拓と、これに基づく機能発現の素過程の数理的分析を行い、新機能構造として目指すべき複雑問題を取り扱う機能素子としての素子内部構造の複雑性、これに対する外部への出力の単純性、計測および素子制御の完全性等の必要条件の抽出を行い、解くべき問題を機能素子にどのように入力することができるかという基本的な課題に関して極めて有用な知見を得た。あわせて、医工融合の脳研究を展開し神経系とグリア系の関わりについての計測および評価の知見を本研究課題に活用し、今年度開拓した表裏走査プローブ計測の特色を活用した研究推進を進展させる記本が開拓された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
複層化した希薄磁性半導体量子構造の機能解析の実験研究のために、世界に類を見ない基盤の表裏から独立にSTM制御近接場光学探針を走査できる励起輸送観測機構の開発に成功し、現有装置に実装しその性能確認を行うことに成功したことから、現有の表面上での他探針励起輸送過程計測と相補的であり、またより直接的な機能評価の実験基盤が整えられたため、当初計画以上の実験研究の進展がなされている。 外部磁場制御の多層希薄磁性半導体量子構造の励起輸送過程の磁場依存性について、2探針プローブ法による計測と本研究における超高空間位置再現性を有する計測結果との比較検討ができるようになったことから、計画以上に素過程の解明が進展した。 ナノ光電子機能構造の数理的な取り扱いについては、関連する粘菌系を組み込んだ充足可能性問題における解探索機構の研究と合わせてグリア―神経結合系の脳機能研究を総合することに基づいて、圏のコホモロジーを基盤とした機能構造の新しい数学的解析手法を見出したことにより、目覚まし進展が得られたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
開発に成功した試料上下から垂直方向の励起輸送過程を計測可能とする装置を用いて励起輸送の素過程解明を目指す下記1,2,4,5の実験研究を実施する。機能構造の数理的解明においては、前年度にコホモロジーの概念に基づく近接場光相互作用の素過程の記述と、その粘菌等のSAT問題の解探索過程との関連づけに関する新解析手法を発見したことに基づき、励起子移動の電子系の側面と近接場光相互作用の光系の側面との可分性/不可分性の抽出を行い、数理研究者との協働を含めて、理論研究3,6を推進し、非ノイマン型情報処理機構を念頭に置いた新機能設計の学術基盤構築につなげる。1.ナノ構造を持つ単層磁性半導体量子井戸デバイスおよび磁性非磁性結合量子井戸デバイスを多様な条件で作製し、磁場制御ナノ発光イメージング分光計測を行い、励起子輸送経路と励起子発光過程の統計数理的分離抽出により素過程の明確な分析を行う。2.外部磁場により階層的にポテンシャルを制御できる多層構造の量子井戸デバイスを作製し、磁場制御ナノ発光イメージング分光計測を行い、階層間の近接場光励起輸送経路の解析に基づく共鳴的励起輸送機能の素過程分析を行う。3.SATにおける粘菌を用いた解探索機構やセルオートマトン等との比較研究に基づき、可能な機能構造を模索する。4.上記1,2のデバイスにおいて、ナノ分解能の局所光励起を実現し、これに基づく励起輸送経路および共鳴的近接場光励起輸送過程の特性を明らかにする。5.デバイス表面にナノ構造の磁性原子層薄膜を形成し、磁場の局所変調によるデバイス機能変調機構を開拓するとともに、磁性非磁性結合量子井戸におけるスピン選択キャリア注入過程を利用したデバイス研究に発展させる。6.上記研究課題を統合し、ナノスケールでの光・電子融合機能デバイスおよびシステムの設計原理研究と新機能探索研究を展開する。
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Research Products
(4 results)
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[Journal Article] Energy relaxation process in exciton transfer between (Zn, Cd, Mn)Se and (Zn, Cd)Se quantum wells2014
Author(s)
Takashi Matsumoto*, Fumiaki Iwasaki, Shuhei Konaka, Masao Hishikawa, Sakyo Fukasawa, Tsutomu Muranaka, Yoichi Nabetani, Akira Ishikawa, Kazuharu Uchiyama, Kiyoshi Kobayashi, and Hirokazu Hori
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Journal Title
Phys. Status Solidi C
Volume: 115
Pages: 1-4
DOI
Peer Reviewed
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