2015 Fiscal Year Annual Research Report
グラフの再埋蔵を中心とした位相幾何学的グラフ理論の総合的研究
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25287027
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Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
根上 生也 横浜国立大学, 環境情報研究科(研究院), 教授 (40164652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 光 横浜国立大学, 教育人間科学部, 准教授 (00293168)
中本 敦浩 横浜国立大学, 環境情報研究科(研究院), 准教授 (20314445)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 位相幾何学的グラフ理論 / 閉曲面上のグラフ / グラフの再埋蔵 / 三角形分割の彩色 / 距離空間 |
Outline of Annual Research Achievements |
閉曲面上の三角形分割に対して,triad coloring という新たな彩色を定義し,その理論を展開した。triad coloring が与えられると,その三角形分割から triad complex と呼ばれる2次元複体への単体写像が定義される。その普遍被覆への持ち上げなど,位相幾何学的手法を多用し,組合せ的な議論だけでは結論が難しいいくつかの事実を証明した。 また,連結グラフを辺の長さが 1 となるような距離空間とみなし,その上に互いの距離が x > 0 以上になるように配置された点の最大個数を値とする関数を考え(beans function と呼ぶ),x が1未満のときの関数の振る舞いを探求し,いくつかの不等式を証明した。この概念自体はグラフの再埋蔵とは直接関係ないが,不等式を議論する際に,グラフのベッチ数など,位相幾何学的な不変量を利用した。 再埋蔵理論に関しては,既約三角形分割のリストの存在を前提としてパネル既約三角形分割を生成する高速なアルゴリズムを構築し,コンピュータ・プログラムとして実装した。それにより,過去に人力によって行われたトーラス上のパネル構造の分類表に欠けているものがあることを発見し,それを補うことができた。 その他にも,連携研究者たちの協力により,多数の定理の証明に成功しており,その成果は「離散数学とその応用研究集会2015」や毎年行っている「位相幾何学的グラフ理論研究集会」,ニュージーランドで開催された「SCDO 2501」などで発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
閉曲面上の三角形分割の triad coloring や連結グラフの beans function など,これまでになかった研究テーマを創出し,基礎的な理論を構築することができた。また,ある手法を導入することで,パネル既約三角形分割の自動生成の高速化に成功した。
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Strategy for Future Research Activity |
閉曲面上の三角形分割の triad coloring や連結グラフの beans function の理論をさらに発展させる。生成の高速化に成功したパネル既約三角形分割を利用して,閉曲面上の三角形分割の再埋蔵構造の分類を試みる。 また,これまで築いた国内外の研究者との協力関係を維持し,最終年度以後の研究の方向性について検討していく。
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Causes of Carryover |
2015年4月に研究代表者の根上が環境情報研究院長に就任し,スケジュール的に出張計画を自由に組めなくなったため,若干の旅費を残すことになった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
出張計画を早目に立て,残額を次年度の旅費に混ぜて円滑に執行する。
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Research Products
(10 results)