2013 Fiscal Year Annual Research Report
中性子線補足療法のための革新的ナノ粒子剤に関する研究
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25287157
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Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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| Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
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Principal Investigator |
榊田 創 独立行政法人産業技術総合研究所, エネルギー技術研究部門, 研究グループ長 (90357088)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池原 譲 独立行政法人産業技術総合研究所, 糖鎖医工学研究センター, 研究チーム長 (10311440)
金子 俊郎 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (30312599)
小口 治久 独立行政法人産業技術総合研究所, エネルギー技術研究部門, 主任研究員 (20356976)
金 載浩 独立行政法人産業技術総合研究所, エネルギー技術研究部門, 主任研究員 (30376595)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | プラズマ・核融合 / ナノチューブ・フラーレン / 癌 / 放射線 |
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| Research Abstract |
本研究は中性子線捕捉療法で使用する安全な粒子捕捉剤を生成することを目的とする。
透過性の良い中性子線と反応断面積の大きいボロンの反応の結果生成される自由行程が短い高エネルギーのヘリウム粒子を使用することで、放射線治療に伴う正常細胞への障害を減らすことができる。現在のボロン製剤は、化学的安定性、ボロンの毒性、腫瘍部への蓄積制御性の観点において課題が存在する。そこで、プラズマ技術等を駆使し、ボロンをフラーレン内に包含させることで毒性を封じ込める技術、更には当該粒子の糖鎖被覆リポソームへの効率の良い封入法を開発し、新規ナノ粒子製剤の難治性がんへの治療へと展開する。
効率的にフラーレンに粒子を内包させるためには、ボロンイオンビームの電流密度を上げる必要がある。それに対して、産総研においては、イオンビームをより高集束にすることが可能となる自己集束現象を見出すことに成功した。自己集束現象とは、イオンビームが発散している状態から、集束した状態に自然に遷移する現象である。当該自己集束技術を利用して内包実験を行うことが可能となれば、強制的に集束をさせるための電子源などが不要となるばかりではなく、高エネルギー電子による諸影響を回避することも可能となる。そこで、ボロンプラズマの生成実験と並行して、自己集束状態への遷移前後のプラズマパラメーターの計測を行うことにより、自己集束現象のメカニズムの理解を進めている。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
多数の炭素原子のみで構成された中空な球状クラスターであるフラーレンへ原子・分子を内包させ特殊な性質をフラーレンに持たせる技術として、集束性の高い低エネルギー高電流密度イオンビームの研究開発を行ってきた。効率的にフラーレンに粒子を内包させるためには、イオンビームの電流密度を上げる必要がある。そこで、産総研で見出した低エネルギーイオンビームの自己集束技術を利用した内包実験を効率良く行うために、自己集束現象のメカニズムを解明する研究に注力した。
自己集束状態への遷移前後のプラズマパラメーター（電子密度，電子温度，空間電位）及び、イオンビームパラメター（イオン電流密度）を特殊静電プローブとファラデーカップを製作することによって計測を行った。その結果、集束時には、電子が多く存在することが観測され、イオンの発散を抑制していることが確認された。また、ボロンプラズマの生成実験として、固体ボロン昇華技術と定常プラズマ生成技術を組み合わせた装置の設計と製作を進めた。
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| Strategy for Future Research Activity |
１．ボロンプラズマ生成実験
固体ボロンを気化・イオン化・プラズマ化するシステムの開発として、レーザーによる固体ボロンの昇華とＲＦ放電を組み合わせシステムを構築し、安定したプラズマ放電を試みる。
２．フラーレンへの内包実験
ボロンプラズマ中にフラーレンを昇華させて内包実験を試みると共に、フラーレン回収システムをボロンプラズマシステム内に設置する。この際、質量分析器等を用いて、フラーレン、ボロン内包フラーレン等の分析を行う。
３．リポソームへのフラーレンの封入実験
フラーレンをリポソームへ封入するために、フラーレンを薬剤法、物理的分散法などにより水溶液中へ分散させ、更に、Distearoyl-phosphatidylethanolamine (DSPE）とコレステロールで作成するリポソームへのフラーレン封入実験を試みる。
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| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
基金助成金を繰越。
ボロンプラズマの生成実験、フラーレンへの内包実験準備、リポソームへのフラーレンの封入実験準備に注力し、リポソームへのフラーレンの封入実験を次年度に集中的に行うようにしたため。
フラーレンをリポソームへ封入するために、フラーレンを薬剤法、物理的分散法などにより水溶液中へ分散させ、更に、Distearoyl-phosphatidylethanolamineとコレステロールで作成するリポソームへのフラーレン封入実験を試みる。
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[Journal Article] Recent Research Activities of Innovative Plasma Technologies Group in AIST2013
Author(s)
H. Sakakita, T. Fujii, M. Fujiwara, Y. Ikehara, S. Kato, J. Kim, H. Koguchi, I. Okuda, E. Takahashi, Y. Toyoshima, S. Kiyama, Y. Hirano, T. Shimada
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Journal Title
Proc. Joint Symposium on Plasma and Electrostatic Technologies for Environmental Applications & 2nd Japan-Korea WG Meeting for Plasma Applications
Volume: PP-01
Pages: 1-2
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[Presentation] Industrial Applications using Innovative Plasma Technologies (Developments of the low energy ion beam, and studies on medical applications)2014
Author(s)
Hajime Sakakita, Yutaka Fujiwara, Yoichi Hirano, Sanae Ikehara, Yuzuru Ikehara, Jaeho Kim, Satoru Kiyama, Haruhisa Koguchi, Akihisa Nakamiya, Hiromasa Yamada, and Yusuke Yamagishi
Organizer
The 7th International Conference on Advanced Materials Development and Performance (AMDP2014)
Place of Presentation
Korea Maritime and Ocean University, Busan, Korea
Year and Date
20140717-20140720
Invited
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[Presentation] Recent Research Activities of Innovative Plasma Technologies Group in AIST
Author(s)
H. Sakakita, T. Fujii, M. Fujiwara, Y. Ikehara, S. Kato, J. Kim, H. Koguchi, I. Okuda, E. Takahashi, Y. Toyoshima, S. Kiyama, Y. Hirano, T. Shimada
Organizer
Joint Symposium on Plasma and Electrostatic Technologies for Environmental Applications & 2nd Japan-Korea WG Meeting for Plasma Applications
Place of Presentation
Gero Synergy Center、下呂、岐阜
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[Presentation] Introduction of Medical Plasma Equipment for the Minimally Invasive Treatment、International Conference on Flow Dynamics 2013
Author(s)
Hajime Sakakita, Yuzuru Ikehara, Jaeho Kim, Nobuyuki Shimizu, Sanae Ikehara, Hayao Nakanishi, Hiromasa Yamada, Yusuke Yamagishi, Satoru Kiyama, Akiko, Kubota, Masao Ichinose, and Toru Niwa
Organizer
International Conference on Flow Dynamics 2013
Place of Presentation
Sendai International Center, Sendai, Miyagi
Invited
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