2014 Fiscal Year Annual Research Report
テラヘルツ帯の電磁エネルギーによる生体タンパクの分画・同定技術の研究
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25289069
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| Research Institution | Akita University |
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Principal Investigator |
吉村 昇 秋田大学, その他部局等, その他 (60006674)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
水戸部 一孝 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60282159)
鈴木 雅史 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (60226553)
カビール ムハムドゥル 秋田大学, 工学(系)研究科(研究院), 講師 (10422164)
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| Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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| Keywords | テラヘルツ / タンパク質 / バイオ関連機器 / 生体分子 / 可視化技術 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度までの研究において，電気泳動法に用いられる代表的なタンパク，アミノ酸で計測用試料を作製し，THzスペクトラム解析装置を用いてTHz帯での吸収スペクトルの測定を試みた。その結果，アミノ酸単体では明瞭な吸収スペクトルを示すこと，一方，タンパク質では当初の予想と異なり，ブロードな吸収特性となることを明らかにした。さらに，高い位置精度で生体試料を印刷できるマテリアルプリンタを用いてアミノ酸の混合比率を調整したリファレンス試料を作製して吸収スペクトルを取得した結果，分離して塗布した状態と混合溶液とではスペクトルが全く異なる現象を発見した。この知見は，アミノ酸混合溶液を電気的にミクロな領域で分画するだけで，THz吸収スペクトルにより構成要素を特定できる可能性を示唆しており，電気泳動技術に代わる新たな迅速診断の実現可能性を示している。また，試料の作成過程において，電気泳動で利用可能なセルロースアセテート膜を母材として吸収スペクトルを測定するための前処理条件を構築した。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
当初目指していたタンパクの吸収スペクトルがブロードな特性を示すことを実験的に明らかにしており，一方，タンパクの構成要素であるアミノ酸単体では固有のスペクトルを示すが混合溶液では全く異なる吸収スペクトルを示すことを明らかにした。さらに，マテリアルプリンタを用いてミクロな領域で異なる種類のアミノ酸を配置した条件では，単体のアミノ酸の吸収スペクトルの合算値が得られたことから，複数のアミノ酸混合溶液をミクロなレベルで分離することでTHz吸収スペクトルにより対象を特定できる新たな検査技術の可能性を示すことができた。同時に，タンパクには吸収スペクトルが複数存在することがブロードな吸収特性を示す原因であることを明らかにできたため。
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| Strategy for Future Research Activity |
この知見を踏まえて，タンパク質の構成要素であるアミノ酸に着目し，アミノ酸の相互作用によるTHz吸収スペクトルの変化を更に解析すると共に，電気泳動後のアミノ酸試料を対象としてスペクトル解析を試みる。その際，分離されたアミノ酸の集積度が高い程，吸収スペクトルの観察に適していると予想できる。そこで，マテリアルプリンタによりアミノ酸水溶液を特定の塗布パターンでプリントした電気泳動試料を作成し，泳動前後の分布状況をTHzイメージングにより確認することで，分離後のアミノ酸の集積度を向上させるための泳動用試料作成手法を構築する予定である。
泳動溶液にPVDA膜が浸水した状態でプリントする技術が必要となり，既存のマテリアルプリンタを改良する必要がある。そこで，新たに導入する光造形方式の3Dプリンタにより治具の製造を試みる予定である。本研究を通して，最終的には複数のアミノ酸混合溶液を効率良く分離，THz吸収スペクトルにより対象を特定するための新たな検査技術の構築をめざす。
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| Remarks |
2014年 電気学会全国大会 優秀論文発表賞受賞「電気泳動処理後のタンパク質を対象としたTHz波による非染色可視化技術の構築」
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