2013 Fiscal Year Research-status Report
巨大災害時の品目・時間価値を踏まえた外貿コンテナ輸送需要・経路選択推計モデル開発
Project/Area Number |
25289165
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
赤倉 康寛 京都大学, 防災研究所, 准教授 (70462629)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小野 憲司 京都大学, 防災研究所, 教授 (10641235)
渡部 富博 国土技術政策総合研究所, その他部局等, 室長 (10356040)
安部 智久 国土技術政策総合研究所, その他部局等, 室長 (30370795)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
|
Keywords | 巨大災害 / コンテナ貨物 / 代替港 / 時間価値 / BCP |
Research Abstract |
東日本大震災により被災した製造業等の事業所へのアンケート結果を用いて,地震動強度(気象庁震度階)及び津波浸水深(浸水なし・2m未満・2m以上)により,事業所操業度の復旧曲線をモデル化し,その結果を,被災県の鉱工業生産指数により検証し,妥当な精度が得られていることを確認した. さらに,東日本大震災後におけるコンテナ貨物荷主へのアンケート結果より,操業度とコンテナ貨物需要の関係性をモデル化し,コンテナ貨物需要の復旧曲線をモデル化した.その結果を,米国輸出入貨物データにより検証し,妥当な精度が得られていることを確認した. また,平時を対象として策定された外貿コンテナ貨物の港湾・経路選択モデルを基礎として,①被災港の機能停止,②周辺港の便数変化(日本海側港湾の増便及び東京湾の抜港)及び③時間価値の変化を設定して,東日本大震災における経路や代替港湾を推計可能とし,港湾統計,アンケート結果や米国輸出入貨物データにより検証して,妥当な精度が得られていることを確認した.貨物の時間価値については,過去の時間価値の変化率と貨物価値の変化率がほぼ同じであることを踏まえ,貿易統計データより,単位重量当たりの貨物価値の変化率を算定して,これを適用した. 研究成果については,土木学会(計画学春大会:広島,秋大会:大阪),国際総合防災学会(IDRiM:イギリス・ニューキャッスル),防災計画研究発表会(京都)等にて発表し,議論を深めた.さらに,その結果を踏まえて内容を改良し,現在,土木学会論文集等へ投稿中である.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
製造業等の事業所の操業度復旧曲線のモデル化や,コンテナ貨物需要の復旧曲線のモデル化は,平成25年度中に終わっており,当初の計画通りである. 代替港湾・経路選択モデルの開発についても,東日本大震災の状況を再現できており,順調であると言える.なお,代替港湾での港湾取扱能力については,東日本大震災後の状況について日本海側港湾の関係者へのヒアリングを済ませており,現在定量化を行っているとことである.
|
Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は,南海トラフ地震や首都直下地震等の巨大災害を想定して,外貿コンテナ輸送需要・経路選択の推計を行う. まず,外貿コンテナ貨物の輸送需要については,平成25年度の成果である復旧曲線を当てはめて,災害後の状況を推計する. さらに,代替港におけるコンテナ取扱能力は,平常時と異なる状況があることから,これを推計し,その結果を踏まえて,災害時の港湾能力を踏まえた代替港湾・経路推計モデルを開発する.そして,このモデルを用いて,巨大災害後の代替港湾・経路を推計する. その結果を踏まえて,最終年度である平成27年度には,耐震強化バース等の配置,代替港における機能強化,巨大災害時の港湾連携等の港湾政策案の作成に繋げる.
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
購入予定であった一部の物品の購入を次年度にまわしたため. 次年度当初において,当該物品を購入すると共に,計画的に執行する.
|