2013 Fiscal Year Annual Research Report
未利用油脂資源からのゼロエミッションバイオ燃料合成
Project/Area Number |
25289281
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Sojo University |
Principal Investigator |
草壁 克己 崇城大学, 工学部, 教授 (30153274)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
迫口 明浩 崇城大学, 工学部, 教授 (30196141)
櫻木 美菜 (水谷 美菜) 崇城大学, 工学部, 助教 (90646829)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | バイオディーゼル / 反応分離 / 抽出 / ラバーシード / エステル交換 / 炭化 |
Research Abstract |
粉砕したラバーシードにバイオディーゼル合成の反応剤であるメタノールと沸点の近いn-ヘキサン、アセトンおよびジエチルエーテルを用いて抽出試験を行ったところ、これらの溶媒はラバーシードに含まれる油分の全量(40wt%)が抽出できた。一方、メタノールは抽出率は10wt%であった。次に、これらの溶媒が油分の主成分であるトリグリセリドのエステル交換反応に及ぼす影響を知るために、コーン油と2wt%KOHのメタノール溶液を用いて室温で反応し、生成物である脂肪酸メチルエステル(FAME)収率を測定したところ、n-ヘキサンを用いたとき最も反応性が高かった。そこで、ラバーシードを用いた抽出・反応同時試験を行った。粉砕したラバーシードに2wt%KOHのメタノール溶液と同量のn-ヘキサンを加えて室温および60℃で合成を行ったところ、室温では1時間反応後にFAME収率が74%となった。さらに温度を上げると15分の反応でFAME収率が98%に達した。n-ヘキサンを添加することで油とメタノールとの相溶性が増すことで、通常の2相反応に比べて反応速度が向上した。また、ラバーシード油の酸価は34.0mg-KOH/gと高く、このことは油分中には約15%程度の遊離脂肪酸が含まれている。一般に塩基触媒下では石ケン化反応が起こるためにFAME収率が低下するが、n-ヘキサンを添加することで石ケン化反応が阻害されFAME収率が向上したと考えられる。次にエステル交換反応の副生成物であるKOHを含む粗グリセリンの有効利用を目的として、ラバーシードの抽出残渣との共炭化による活性化炭素の製造について研究を開始した。はじめに純グリセリン、粗グリセリンおよび抽出残渣と粗グリセリンの混合物の熱重量分析を行った結果、KOHの触媒作用で共炭化が促進されることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度に計画をしていた抽出試験と溶媒を加えた反応試験が終了し、平成26年度に計画していた反応と抽出の同時操作試験についても成果を得ることができ、さらに平成26年度から研究を開始する予定であった炭化の試験を開始することができた。一方で平成25年度に計画していた油脂からの遊離脂肪酸の分離については実験途中である。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は当初計画していた、粗グリセリンを利用したバイオマスのガス化に着手する。また、油脂からの遊離脂肪酸の分離に関する試験を加速する。これらの実験に加えて、ラバーシード油のように脂肪酸を多く含む原料油の前処理方法の一つとして、多孔質無機材料を用いた脂肪酸の吸着除去についても研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度実施予定の実験を延期して、平成26年度に実施するため、これに必要な物品費を次年度使用額として繰り越した。 平成26年度に実験を行う予定であり、その際に使用する。
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Research Products
(6 results)