2014 Fiscal Year Annual Research Report
細胞アレイ評価法を用いた細胞内機能性ペプチド探索技術の確立
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25289292
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
本多 裕之 名古屋大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (70209328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 竜司 名古屋大学, 創薬科学研究科, 准教授 (50377884)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ペプチド / ライブラリー / 細胞アレイ / 探索 / 分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
H26年度 本年度は以下の成果が得られた。 1)細胞/スフェロイドアレイ評価法の確立 多検体評価法への拡張を目指し、昨年度導入が確認できたCPP-ペプチドを使って、細胞機能を改変できるペプチドの探索を行った。具体的には転写因子を代替するDNA結合ペプチドの探索を行い高AT領域に結合しやすいペプチドの探索を行い、両末端に電荷をもつ配列が特異性を示すことを発見した。また独自技術である磁気ラベル法と電磁軟鉄製剣山デバイスを使って通常の培養器表面に細胞/スフェロイドアレイを構築し、そのサイズや円形度、周囲長などの形態変化を数値化することに成功した。具体的には大腸がんや肺がんの細胞を対象に、がん細胞スフェロイドアレイを構築し、増殖したがん細胞スフェロイドごとに遺伝子発現解析することに成功し、通常の培養細胞より薬剤耐性能が亢進していることを明らかにした。 2)細胞/スフェロイドアレイへのペプチド投与法の開発 多検体評価法に拡張するため、500種類程度のペプチドが評価できる系の構築を目指した。CPPのN末端にさらにランダムな配列のペプチドを連結合成し、可溶化し、マイクロプレートで培養中の培養細胞に投与しペプチドの機能を評価できる方法を確立した。1)の細胞/スフェロイドアレイへの直接投与を目指し、多孔性シリカビーズへのペプチドの固定化とシリカビーズの磁気ラベルも検討した。 3)細胞/スフェロイドアレイを用いた細胞内機能性ペプチドの探索と解析 マウス骨格筋細胞株を使い、筋萎縮抑制ペプチドの探索を行った。150種類程度のペプチドライブラリーから効果のあるペプチドの探索に成功した。細胞内での標的タンパク質との結合に関しては従来の蛍光ラベル抗体法で確認した。さらに、細胞内での結合評価に関しては、消光ペプチドとの相互作用での可視化確認を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
細胞内機能性ペプチドとしてDNA結合性ペプチドと筋萎縮抑制ペプチドの探索に成功し、配列ルールの解析も進めることができた。マイクロプレートでの評価系も構築できた。細胞/スフェロイドアレイに関しても画像解析法を確立し、さらに1細胞塊からの遺伝子発現解析にも成功した。磁気ラベルシリカビーズによるペプチド投与法にも進めており順調に推移している。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き細胞内導入ペプチドの評価を実施する。複数の細胞を組み合わせた細胞アレイを用いてさらに高次の細胞機能の評価を目指す。
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Causes of Carryover |
節約により物品費の使用額が減額できた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
細胞機能評価のため抗体やDNAプローブなど高価な分析試薬の購入に当てる。
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