2015 Fiscal Year Annual Research Report
細胞アレイ評価法を用いた細胞内機能性ペプチド探索技術の確立
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25289292
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
本多 裕之 名古屋大学, 予防早期医療創成センター, 教授 (70209328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 竜司 名古屋大学, 創薬科学研究科, 准教授 (50377884)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ペプチド / ライブラリー / 細胞アレイ / 探索 / 分析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は以下の成果が得られた。 1)遺伝子発現解析を基盤とする細胞内機能性ペプチドの探索 1細胞遺伝子発現解析技術を使ってがん細胞の機能解析を行った。血管内皮細胞(HUVEC)との共培養のシステムを使って、HUVECからの距離ごとにマウスメラノーマ(B16F1)を回収し、その遺伝子発現を評価したところ、悪性化関連遺伝子であるIL-6やMDR-1、MMP-9がHUVECに近付くに従って増加していることがわかった。また細胞死誘導ペプチド(WELVVLGKL, KKPGLRRRQT)に細胞内切断リンカーをはさんでCPPを連結し、がん細胞に投与し、その効果を検証することに成功した(未発表データ)。シリカビーズを用いた細胞アレイとペプチドアレイの融合探索法にも目処がたった(未発表データ)。さらにペプチドの性質を網羅したランダムライブラリーのサイズを決定するため、アミノ酸を4グループに群分けし、ペプチド合成する手法を開発した。この方法では4残基ペプチドで256種類が最少サイズであり、そのライブラリーでサイトカイン結合ペプチドの探索に成功した。さらに短鎖ペプチドの高活性ルールを用いて長鎖ペプチドの探索をおこなう方法も提案した(未発表データ)。 2)その他の機能性ペプチドの探索 CPPつきペプチドライブラリーを使い、細胞周期停止あるいは細胞周期更新で細胞死を誘導する2種類の作用の異なる細胞死誘導ペプチドの効果を、肝がん細胞を使って検証した。WELVVLGKLで配列置換ライブラリーを用いて活性に重要なアミノ酸残基を特定したところ、1,4,5残基において残基置換可能で、WELRVLGKLでは細胞死活性が約3倍向上することを明らかにした(未発表データ)。また、細胞機能改変の効果は動画を用いる画像解析で定量化できることを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ライブラリーサイズを最小化するペプチド設計法を提案し、実際に機能性ペプチドの探索に成功した。また細胞内機能性ペプチドをCPPで細胞内導入する方法で、高機能残基置換ペプチドの探索に成功した。作用機構のことなる2種類のペプチドの細胞アッセイに成功した。1細胞遺伝子発現解析によるがん細胞評価にも成功しシリカビーズを用いた細胞アレイとペプチドアレイの融合探索法にも目処がたった。
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Strategy for Future Research Activity |
CPPを使った細胞内導入ペプチド探索法、および、シリカビーズを用いたペプチド投与法をまとめ、論文投稿する。短鎖ライブラリーで探索したペプチドルールを長鎖ペプチド探索に応用する方法についても論文化する。別の機能性ペプチドに関しても細胞内探索が可能であることを明らかにし、汎用性を検証する。
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Causes of Carryover |
節約のより物品費の使用が減額された。 現在実施している研究内容をもう少し進めて、学会発表及び、学術論文投稿を目指しているため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究内容を進めて、学会発表及び、学術論文投稿を行う
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