2013 Fiscal Year Annual Research Report
海象が非定常操縦運動に及ぼす影響を反映した操船シミュレータ構築に関する基礎的研究
Project/Area Number |
25289324
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | National Maritime Research Institute |
Principal Investigator |
宮崎 英樹 独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (10415797)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 良介 独立行政法人海上技術安全研究所, その他部局等, 研究員 (20711328)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 波浪中操縦性能 / Z操舵実験 / 旋回実験 / 波との相対位置 |
Research Abstract |
針路不安定に陥り易い船尾がバトックフロー形状をしたタンカー船型の模型を用いて平水中及び波浪中での自由航走実験を行った。本実験では波長や波高、波との出会い角、実験開始時の波との相対位置をパラメータとして操縦性能実験(Z操舵実験(針路安定性を確認するための実験の1つ)、旋回実験(旋回性能を確認するための実験)など)を実施した。船体運動(3軸周りの角度や角速度など)は模型船に搭載した光ファイバージャイロ(FOG)を用いて、航跡は偏角は曳引台車の自動追跡機能を用いて計測を行った。 操縦性能実験とは回頭運動を伴う実験であり、縦揺れ運動が支配的な向波中では実験開始時の波との相対位置の相違による影響は少ないことが確認された。一方、横揺れ運動が支配的な横波中では実験開始時の波との相対位置の相違による影響が有意であることが確認された。この原因の一つとして、横揺れ運動することで水面下の船体形状が左右舷で異なることが考えられる。これは水面下の船体形状が左右非対称になると主船体に回頭モーメントが働くためで、傾斜した側を外方傾斜とする方向に回頭することが確認されている。本実験でもこの傾向が確認された。 そのため、波浪中での操縦性能実験を行う際には波向きと実験開始時の波との相対位置を把握することが必要であり、横揺れ運動を伴う状態で適切な操縦性能を確認するためには実験開始時の波との相対位置を変更して複数回の計測を行う必要があると考えられる。 今後はこの影響が推定可能な船体運動モデルの構築を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
水槽模型を予定通りに製作した。 施設使用期間の都合により水槽実験は当初予定していた項目を全て実施することは出来なかったが、実施項目を再検討し想定していた実験結果が概ね得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度実施した実験の解析結果から、横揺れ運動と操縦性能の相関を明らかにして船体運動モデルの構築を行う。 また、RO/ROフェリーなど上部構造物の表面積が大きい船舶では波浪だけではなく風による影響は無視できない。そのため、風による影響についても検討を行う予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
RO/ROフェリー船型模型を製作するために必要な船型データを作成して、製作業者に提供することで費用を抑制することが出来た。 製作予定であったプロペラについては次年度に製作することとしたため。 RO/ROフェリー船型模型のプロペラを製作する。 風の影響を確認するために風洞試験用にタンカー模型の上部構造物を製作する。
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Research Products
(1 results)