2013 Fiscal Year Annual Research Report
想定外事象発生時の人間の適応行動パフォーマンス向上に関する研究
Project/Area Number |
25289347
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
高橋 信 東北大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00243098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川島 隆太 東北大学, 加齢医学研究所, 教授 (90250828)
三浦 直樹 東北工業大学, 工学部, 講師 (70400463)
大橋 智樹 宮城学院女子大学, 学芸学部, 教授 (00347915)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 想定外事象 / 原子力プラント / 適応能力 / 運転訓練 / マイクロワールドシミュレーション / 脳機能解析 |
Research Abstract |
研究のフェーズ1においては、適応的能力の評価手法を構築することを目的とする。想定外事象が発生した緊急時の状況を実際に模擬して、その状況に対峙した人間の挙動を評価することは困難である。本研究においては、複雑性を有するプラント環境をマイクロワールドシミュレーションとして模擬して、その限定された環境における「想定外」を生起させることで、予想していなかった事態の発生という意味での想定外を模擬することを目指した。成果を以下にまとめる。 ・想定外事象に対する人間の適応的挙動を解析可能なシミュレーション環境の構築 スマートグリッドシミュレーション環境を用いて、想定外事象に対する被験者の挙動を明らかにできるシナリオを開発し、被験者実験を通じてその妥当性を検証した。本研究においては、複雑性を有するプラント環境をマイクロワールドシミュレーションとして模擬して、その限定された環境における「想定外」を生起させることで、予想していなかった事態の発生という意味での想定外を模擬することを目指した。実験実験では「想定外」の事態を再現すること自体が困難な課題であるが、本研究では事象の独立性を考慮して四種類の想定外事象を構築した。更に、マニュアルにおいて手順のみを与えた被験者と、Whyを含む深い知識を提示した被験者間で対応能力の違いを検討し、想定外事象への対応能力の違いがあることをあきらかにした。 この結果は本研究の目的である2「適応的能力の向上のための方策の提案」へ繋がる重要な知見である。 ・タスク実行におけるルール遵守行動の適応的挙動についてあきらかにした 人間のルール遵守行動を適応的挙動の一つとして捉え、ルール遵守に影響を与える要素について被験者実験を通じてあきらかにした。この成果は様々な状況における人間の適応的挙動の一つをあきらかにするものであり、適応的能力の評価に繋がる成果である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
想定外事象を認知実験の中で再現し、被験者の適応的挙動を解析する基本的な環境の構築は予定通り達成し、その基本的は妥当性は確認することができた。しかし、fMRIを使った脳機能解析に関しては、開発したマイクロワールドシミュレーション環境の操作をMRI中で行うことが困難であり、現在検討を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は以下のように研究を行っていく予定である。 1. 想定外事象対応時の脳活動部位の同定 MRIを使った実験を実施し、想定内と想定外シナリオ対処時の脳機能活性化マップを比較することにより、想定外事象への対応に関連する脳機能部位を明らかにする。このようにして明らかにした脳機能部位に関しては、これまで蓄積されている脳神経科学的な知見と照らし合わせることにより、人間のどのような高次認知機能と関連しているかを検討することが可能となる。このような分析を行うことにより、緊急時の適応的パフォーマンスを評価するための属性を明らかにする。 2.適応能力向上のための訓練方法の検討 適応的対処に関連する属性に関してその向上のための訓練方法を提案する。人間の認知的な側面からは“Preparedness(心の準備)”が重要な要素になると考えており、どのような形でそのPreparednessを訓練するか、そしてそのPreparednessのレベルをどのように評価するかを検討する予定であり。更には、脳科学的な側面からはフェーズ1で明らかにした想定外対処能力に関連する部位の活性レベルを上げるための「脳トレ」に類似した訓練方法を提案する予定である。。
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Research Products
(1 results)