2014 Fiscal Year Annual Research Report
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25292133
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
仙田 徹志 京都大学, 学術情報メディアセンター, 准教授 (00325325)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 治平 神戸大学, 農学研究科, 教授 (40204557)
藤栄 剛 滋賀大学, 環境総合研究センター, 准教授 (40356316)
寳劔 久俊 独立行政法人日本貿易振興機構アジア経済研究所, 開発研究センター, 研究員 (90450527)
草処 基 東京農工大学, 農学研究院, 助教 (90630145)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ミクロデータ / 戦前期 / 両大戦間期 / 農家経済 / 昭和恐慌 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、両大戦間期に日本および中国で実施された複数の農家調査の復元と分析を行うことである。対象となる農家調査は、これまでの挑戦的萌芽研究で進めてきたものが中心であり、本研究により研究成果のいっそうの深化を図る。調査実施主体でみると、農林省や帝国農会による全国範囲の農家調査、旧積雪地方農村経済調査所による東北地方を中心とする農家調査、京都大学で実施されてきた近畿圏を中心とする農家調査が含まれる。いくつかの調査は、昭和恐慌をはさむ形で調査がなされているので、昭和恐慌が農家経済に与えた影響を、より精緻に解明することができる。 平成26年度は、25年度に引き続き、ほぼ構築されつつある既存のデータセットによる分析と、戦前期日本の新たなデータセットの構築に着手した。構築されたデータセットからは、それぞれの調査の調査内容に応じて、両大戦間期の農家経済の生産効率性、人的・自然災害への対処行動、世帯内の労働時間配分、資産蓄積行動などが分析される。具体的には、戦間期の繭特約取引と繭価形成、長期時系列統を用いた我が国の養蚕業構造変化、戦前日本における農家家計の生産性と集計的ショックなどの分析が行われ、成果をとりまとめたものについては投稿がなされた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成26年度は、25年度に引き続き、ほぼ構築されつつある既存のデータセットによる分析と、戦前期日本の新たなデータセットの構築に着手し、構築されたデータセットから、それぞれの調査の調査内容に応じて、両大戦間期の農家経済の生産効率性、人的・自然災害への対処行動、世帯内の労働時間配分、資産蓄積行動などが分析される予定であった。別掲の研究概要のように、戦間期の繭特約取引と繭価形成、長期時系列統を用いた我が国の養蚕業構造変化、戦前日本における農家家計の生産性と集計的ショックなどの分析が行われ、論文投稿がなされた。また、現金に関する農家経済調査や庄内地方米作調査については、データセットの基礎整備が、そして戦前期農家経済調査の整備は、資料数単位では8割程度の結束作業を終えた。戦前期農家経済調査は、電子調査票の作成準備、秘匿措置の検討、名簿整備等を含め、戦前期農家経済調査資料のメタデータ作成が大幅に進展しており、順調に研究は進んでいるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度以降は、以下のような形で本研究を進めていく。 平成27年度は、基本的に、平成26年度までと同様の内容で研究を進めるが、我が国で実施された各農家調査の位置づけを明確にするために、海外で実施された両大戦間期の農家調査の情報収集に着手する。また、データセットの公開のための準備にも着手する。これまで構築したデータセットのうち、データ入力が完了したものは、研究分担者などによる一次分析が終わり次第、公開を行うことを計画しており、公開に向けたメタデータ(調査関係資料、データレイアウトなど)の準備を行う。これまでの3カ年のまとめのカンファレンスの実施も計画する。 平成28年度も、基本的に、過去3カ年と同様の内容で研究を進めるが、最終年度であるために、研究期間全体の成果のとりまとめを念頭においた活動となり、これまでの研究成果を学会等にて発表していくことが中心となる。また、データセットの公開は、27年度に引き続き、分析を終えたデータセットについて実施する。
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Causes of Carryover |
一部の分担者において、データ整理などの予算に対する執行の遅れがあったため、次年度の使用額が生じているが、それは、研究代表者の方で構築していたデータセットの分析に従事していた結果として生じたためであり、研究計画全体には影響はない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
一部の分担者において、保留にしていたデータ整理等の予算は、研究全体の計画の進捗を睨みつつ、平成27年度において、当初の計画どおり、順次執行する予定である。
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Research Products
(6 results)