2015 Fiscal Year Annual Research Report
シグナル分子としてのNO・H2Sの光制御投与法の開発と疾患モデルへの応用
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25293028
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
中川 秀彦 名古屋市立大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (80281674)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | ケミカルバイオロジー / ケージド化合物 / 薬学 / 有機化学 / 光スイッチ |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度までに合成し細胞系、動物組織系に適用したNOドナー(青色光制御型NOドナー)について細胞毒性の程度を調査した。その結果、100microM程度で培養細胞の生存率を2割減弱させる毒性を示すことが判明したが、位置特異的な培養細胞系でのNO投与や、動物組織系で血管平滑筋弛緩(血管拡張)作用を誘導するためのNO投与を行う濃度、1microMから10microMのではほとんど細胞毒性を示さなかった。また、血管拡張作用を誘導する実験において、青色光制御型NOドナーを投与した後、グアニリルシクラーゼ阻害剤であるODQを共存させて青色光照射を行うと、ODQ非存在下でみられた血管拡張が観察されなかった。NOはグアニリルシクラーゼを活性化することで細胞内シグナルを活性化し血管平滑筋を弛緩させる(すなわち血管拡張させる)ことが知られており、上記の結果は、青色光制御型NOドナーを用いた光による血管拡張作用が、生体内の生理的シグナル伝達を介して行われていることを示している。このことは、本化合物を用いた手法がNOの生理作用研究に応用可能であることを示している。さらに、本化合物のNO放出機構を検討するため、ニトロフェノール部の構造修飾を行って、光応答性を検討したところ、フェノール性水酸基がNO放出に重要であること、電子供与性基がNO放出効率をやや高めること、が示され、当初予想した反応機構である、電子移動反応の寄与が高い可能性が示された。さらに、H2Sドナーについて、光吸収部位の検討を行い、キサンテン部位の代わりにアクリジン部位を導入した化合物において、光依存性のH2S放出がみられたが、キサンテンに比較してその効率が低下することが判明した。
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Research Progress Status |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Causes of Carryover |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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