2014 Fiscal Year Annual Research Report
抗アポトーシス分子アナモルシンの機能解析 -造血と細胞内鉄代謝における役割-
Project/Area Number |
25293220
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
金倉 譲 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (20177489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柴山 浩彦 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (60346202)
織谷 健司 大阪大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (70324762)
水木 満佐央 大阪大学, 医学部附属病院, 准教授 (80283761)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | アナモルシン / 鉄硫黄クラスター蛋白 / コンディショナルノックアウトマウス / アポトーシス / 骨髄異形成症候群 / 細胞内鉄代謝 |
Outline of Annual Research Achievements |
申請者らが抗アポトーシス分子として単離したアナモルシン(Anamorsin, AM)は既知の抗アポトーシス分子とは類似の構造をもたない新規の分子である。AM欠損マウスは、身体が小さく、胎児肝における二次造血が障害され、胎生後期に致死となる。申請者らはAMがAMのyeastホモローグであるDre2と同様に鉄硫黄(Fe-S)クラスター形成に関与することを明らかにし、またFe-Sクラスター形成のみではなく、細胞内の鉄代謝に重要な役割を果たしていることも明らかにしてきた。本研究では、AMのコンディショナルノックアウトマウスを作成し、各種の造血細胞におけるAMの機能を解析する。さらに、成体マウスの造血幹細胞においてAMを欠損させることで、骨髄異形成症候群(MDS)の病態を示すモデルマウスが作成できるか検討する予定である。 初年度(平成25年度)には、予定通り、AMのコンディショナルノックアウトマウス(AM Flox/Floxマウス)を作成できた。次に、平成26年度には、いくつかの種類のCreリコンビナーゼトランスジェニック(Cre-Tg)マウスと交配させることで、細胞種特異的にAMを欠損させた遺伝子改変マウスを作成し、そのフェノタイプの解析を開始した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究実施のための土台となるAMのコンディショナルノックアウトマウス(AM Flox/Floxマウス)を作成でき、さらにいくつかの細胞種特異的に発現するプロモーター分子の下流にCreリコンビナーゼを発現しているトランスジェニックマウス(Cre-Tgマウス)と交配することで、細胞種特異的にAMを欠損したマウスを得た。これらのマウスでは、目的の細胞特異的にAMを欠損していることをRT-PCRやウェスタンブロッティングにて確認できた。今後、これらのマウスのフェノタイプを詳細に解析する予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
AMのコンディショナルノックアウトマウス(AM Flox/Floxマウス)と細胞種特異的に発現するプロモーター分子の下流にCreリコンビナーゼを発現しているトランスジェニックマウス(Cre-Tgマウス)を交配することで作成した細胞種特異的AM欠損マウスのフェノタイプを解析していく。具体的には、下記の2つの研究をおこなう。また、MDS患者サンプルのAMの発現解析もおこなっていく。 1.Mx-Cre Tg-AM Flox/Floxマウスの解析(MDSモデルマウス作成の試み)と肝臓特異的AM欠損マウスの解析(鉄動態の検討) 平成26年度に、造血幹細胞特異的にAMを欠損させるマウスとして、Tie2-Cre Tg-AM Flox/Floxマウスを作成したが、この遺伝子改変マウスも、胎児肝での二次造血がおこなわれず、胎生致死となることが判明した。そこで、次に、Mx-Cre Tg-AM Flox/Floxマウスを作成し、そのマウスから得た造血幹細胞を正常マウスに移植し生着したことを確認した後、pIpCを投与することで移植した造血細胞のAMを欠損させることで造血がどう変化するか検討する。特に、MDSの症例で認められるような血球形態の異型や造血不全を認めるか検討する。また、肝細胞のAMを特異的に欠損させるAlb-Cre Tg-AM Flox/Floxマウスを用いて、in vivoにおける鉄代謝制御におけるAMの役割を検討する。特に、この遺伝子改変マウスに鉄を負荷した際のヘプシジンの量の変化などを調べていく。 2.MDS患者サンプルを用いたAMの発現解析 MDS患者の骨髄から得た造血細胞をフローサイトメトリーを用いて、造血幹細胞、赤血球系の各分化段階の細胞に分画する。それらの細胞のAMの発現をreal time PCRによるmRNAレベルとWestern-blottingによる蛋白レベルで評価する。また、赤血球輸血依存になっているMDS患者のサンプルが得られた場合は、上記の評価以外に、細胞内の自由鉄およびROSの蓄積についても検討する。
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Research Products
(7 results)
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[Journal Article] The anti-apoptotic gene Anamorsin is essential for both autonomous and extrinsic regulation of murine fetal liver hematopoiesis.2014
Author(s)
Tanimura A, Shibayama H, Hamanaka Y, Fujita N, Ishibashi T, Sudo T, Yokota T, Ezoe S, Tanaka H, Matsumura I, Oritani K, Kanakura Y.
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Journal Title
Exp Hematol
Volume: 42
Pages: 410-422
DOI
Peer Reviewed
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[Journal Article] Anamorsin, a novel caspase-3 substrate in neurodegeneration.2014
Author(s)
Yun N, Lee YM, Kim C, Shibayama H, Tanimura A, Hamanaka Y, Kanakura Y, Park IS, Jo A, Shin JH, Ju C, Kim WK, Oh YJ.
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Journal Title
J Biol Chem
Volume: 289
Pages: 22183-22195
DOI
Peer Reviewed
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[Presentation] An anti-apoptotic molecule, Anamorsin, is upregulated in anemia and essential for imperative erythropoiesis2014
Author(s)
Tanimura A, Shibayama H, Hamanaka Y, Fujita N, Nagate Y, Ishibashi T, Saitoh N, Ichii M, Yokota T, Ezoe S, Oritani K, Kanakura Y
Organizer
The American Society of Hematology 56th Annual Meeting
Place of Presentation
Moscone Center, San Francisco, CA, USA
Year and Date
2014-12-08
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[Presentation] Anamorsin overexpression leads to dysregulation of lipopolysaccharide-stimulated B cell proliferation through Ras signaling2014
Author(s)
Hamanaka Y, Shibayama H, Tanimura A, Yokota T, Ezoe S, Saito N, Ichii M, Matsui K, Sudo T, Ishibashi T, Doi Y, Nagate Y, Takemoto M, Oritani K, Kanakura Y
Organizer
The American Society of Hematology 56th Annual Meeting
Place of Presentation
Moscone Center, San Francisco, CA, USA
Year and Date
2014-12-08
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[Presentation] An anti-apoptotic molecule, Anamorsin, is upregulated in anemia and essential for erythropoiesis2014
Author(s)
Tanimura A, Hamanaka Y, Fujita N, Nagate Y, Ishibashi T, Matsui K, Saitoh N, Ichii M, Ezoe S, Yokota T, Oritani K, Shibayama H, Kanakura Y
Organizer
第76回日本血液学会学術集会
Place of Presentation
大阪国際会議場, 大阪
Year and Date
2014-10-31