2014 Fiscal Year Annual Research Report
腹膜播種細胞が足場とするニッシェ様細胞の同定とその標的化による治療技術の開発
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25293286
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
米満 吉和 九州大学, 薬学研究科(研究院), 教授 (40315065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 結 九州大学, 薬学研究科(研究院), 助教 (00608507)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 悪性腫瘍 / 腹膜播種 / スフェロイド / CXCR4 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまでのマウスを用いた研究で、(1)腫瘍細胞は腹腔内投与直後にクラスターを形成すること、(2)クラスターを形成した腫瘍細胞がCXCR4を強力に発現するようになること、(3)CXCR4強発現クラスターがCAR細胞nicheに遊走・集積すること、(4)以上のプロセスはAphidicolinによる細胞増殖抑制の影響を受けないことから、「腫瘍細胞が非増殖性に細胞クラスターを形成すると、クラスター全体の形質が変化する」ことが示唆され、そのキネティクス解析を進めてきた。 本研究初年度にはType IV collagen、plasma fibronectinがクラスター形成促進因子となり、転写因子Sp1によりCXCR4の発現が亢進していることを突き止めた。これらの知見を基に、2年目はヒト臨床検体での本現象の確認と、上記メカニズムに基づくin vivoでの治療効果検討を中心に行った。 1). ヒト採取標本についても、マウスで明らかにされたように腸間膜上にCAR細胞nicheが存在していることを突き止め、そこにヒト腫瘍細胞クラスターが転移を起こすことが明らかになった。
2). 単剤では治療効果を示さない、またin vitroで腫瘍細胞クラスター形成時には効果を示さない抗がん剤について、腹腔内でのクラスター形成を阻害することでその治療効果が劇的に向上することを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上記の成果に加え、クラスターを形成した際に腫瘍細胞に起こる変化を精査したところ、がん幹細胞様細胞の出現に強く関連する現象を発見した。また、特定の抗がん剤存在下に形成された腫瘍細胞クラスターが、どのようなメカニズムで抗がん剤耐性を獲得するかの一端を突き止めた。
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Strategy for Future Research Activity |
以上の成果を基に、3年目はクラスター形成とnicheへの生着という一連の現象における抗がん剤耐性獲得メカニズムを明らかにする。 1). マウス腹膜播種治療モデルによる検討 2). クラスター形成阻害/破壊可能な低分子化合物の探索 3). 抗がん剤耐性獲得時に細胞に起こる変化に基づく解析
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Research Products
(1 results)