2014 Fiscal Year Annual Research Report
Runx2・Runx3を基点とした軟骨変性のシグナルネットワークの解明
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25293316
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
竹下 克志 自治医科大学, 医学部, 教授 (30262009)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
齋藤 琢 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (30456107)
武冨 修治 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (70570018)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 整形外科学 / 軟骨細胞 / 変形性関節症 |
Outline of Annual Research Achievements |
Runx2, Runx3のコンディショナルノックアウトマウスが問題なく作動することを細胞培養レベル、生体レベルの両方で確認した。薬剤誘導性の軟骨特異的Creマウス(Col2a1-CreERT2)とRunx2-flox, Runx3-floxをそれぞれ交配させ、生後7週間の段階でタモキシフェンを投与し、翌週変形性膝関節症モデルの手術を行い、さらに2ヶ月の経過を経てサクリファイスして解析を行った。するとRunx3のコンディショナルノックアウトマウスでは変形性関節症が促進するのに対して、Runx2のコンディショナルノックアウトマウスではややばらつきがある中でもその逆の結果が得られることが判明した。現在はnを増やして再現性を確認するとともに、変形性関節症モデルではなく自然経過の中での関節軟骨変性についても検証を行っている。 またそのメカニズム解明の作業については、Runx2, Runx3のC末端に3xFLAGタグを付加した発現ベクターを作成し、さらにこれを薬剤誘導性レンチウイルスベクターにした。現在これらのシステムを用いて今後マイクロアレイ、ChIPシーケンスを行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
メカニズムの解明に関しては当初の予定より若干の遅れが出ているが、in vivoの解析ではRunx2, Runx3とも表現型が定まりつつあり、おおむね順調と考えられる。
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Strategy for Future Research Activity |
前年度に引き続き、Col2a1-CreERT2マウスと、Runx2-flox, Runx3-floxマウスを用いて、変形性関節症モデルと自然経過モデル、さらに炎症モデルを作成し、Runx2, Runx3それぞれの役割を比較検討する。またin vitroでも、これらの系を再現して解析を行う。in vitroメカニカルストレスモデルについては、現有する周期的細胞圧縮装置(ストレックス社)を用いて行う。申請者らは培養軟骨細胞に1Hz, 10%の圧縮を一定時間行うことで軟骨変性マーカーが誘導される系を確立しており、本研究ではそれぞれのマウスから採取した初代培養軟骨細胞を用いてメカニカルストレスを負荷し、mRNAレベル、タンパクレベルで変性マーカーの発現量を検討する。エイジングについては、in vivoでは生後25, 50週での膝関節軟骨組織を解析する。in vitro炎症モデルについては、IL-1β, TNF-αなどの炎症性サイトカインを初代培養細胞の培地に添加し、MMP-13やADAMTS-5などの変性マーカーを中心に発現量をmRNAレベル、タンパクレベルで解析する。また初代培養組織では炎症性サイトカイン添加後の上清中の遊離アグリカン量をELISAにて定量し、関節軟骨の変性を定量的に評価する。また3xFLAGを付加したベクターを用いて、マイクロアレイ、ChIPシーケンスを行い、Runx2, Runx3の標的遺伝子を網羅的に解析する。最後にこれらの解析結果を総合的に評価し、関節軟骨の維持、変性におけるRunx2, Runx3の役割を俯瞰し、その機能の全貌を明らかにする。
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Research Products
(14 results)