2013 Fiscal Year Annual Research Report
悪性骨腫瘍に対する液体窒素処理と樹状細胞療法の併用療法
Project/Area Number |
25293318
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
西田 英司 金沢大学, 医薬保健学総合研究科, 特任准教授 (50569374)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 骨軟部腫瘍に対する樹状細胞療法 |
Research Abstract |
主目的は悪性骨腫瘍に対し液体窒素処理した腫瘍組織が生体内に戻ると体内で腫瘍特異的な凍結 免疫の活性を 誘導し、結果として腫瘍の再発や転移の抑制を導くか追求することである。また、免疫賦活剤や免疫系細胞の併 用を行い凍結免疫が最も活性化する方法を開発する。これらの基礎実験をもとに臨床で悪性骨腫瘍に対する液体 窒素処理骨移植術による凍結免疫の活性を確認する。さらに液体窒素処理骨移植術に免疫賦活剤や免疫系細胞( 樹状細胞)の併用を行うことで凍結免疫と新たな悪性骨腫瘍に対する凍結免疫療法の治療体系を確立する。 これまでの計画で行ってきた基礎実験であるTNF-αを併用した樹状細胞療法の安全性試験を臨床試験で行う。前段階の樹状細胞培養 において培養6日目に液体窒素処理を行った腫瘍抗原とTNF-αを加えた群と強力な成熟を誘導するOK-432を加え た群の細胞形態の変化と樹状細胞の成熟度の上昇の確認を受けて、この1年で腫瘍抗原とTNF-αを加えた樹状細胞療法を用いて第1相臨床試験を遂行している。これまでに6名の患者に対し投与を行っており、現在経過観察中である。今後はTNF-αを併用した樹状細胞療法の安全性試験を臨床試験を継続して行い、安全性が確認する。さらに、臨床で行ってきた悪性骨腫瘍に対する液体窒素処理骨移植の手術手技にTNF-αを併用した樹状細胞療法を併用することで凍結免疫の増強を得ることができないかを確認する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
第1相臨床試験として標準治療に抵抗性な悪性骨軟部腫瘍患者に腫瘍抗原とTNF-αを加えた樹状細胞療法を行っている。もともと悪性骨軟部腫瘍患者が少ない中でクライテリアの条件に当てはまる症例も少ない中で6人も治療できたことは十分と判断する。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床において樹状細胞療法の安全性と液体窒素処理骨移植術と樹状細胞療法の併用療法臨床においてTNF-αを用 いた樹状細胞療法の安全性を検討 2008年から行った標準治療抵抗性の悪性骨軟部腫瘍患者に対し樹状細胞療法による臨床試験(第1相臨床試験)の 結果と、基礎実験であるTNF-αを併用した樹状細胞療法の安全性試験を臨床試験で行う。前段階の樹状細胞培養 において培養6日目に液体窒素処理を行った腫瘍抗原とTNF-αを加えた群と強力な成熟を誘導するOK-432を加え た群の細胞形態の変化と樹状細胞の成熟度の上昇を確認している。 今後、この治療の成績をもとに、臨床において樹状細胞療法の安全性と液体窒素処理骨移植術と樹状細胞療法の 併用療法を計画、遂行する。すなわち平成 26 年度の悪性骨軟部腫瘍に対する TNF-αを併用した樹状細胞療法 の安全性試験を受けて、悪性骨腫瘍に対し液体窒素処理骨移植術による再建術を受ける患者に対し、術前 1 週 間前より樹状細胞を分化誘導させ、術中腫瘍組織の凍結処理に投与する液体窒素処理骨移植術と樹状細胞療法の 併用療法の臨床試験(第1相臨床試験)を申請する。プライマリーエンドポイントとして本試験の安全性、セカン ダリーエンドポイントを1、免疫学的反応(DTH、サイトカイン)、2、腫瘍局所効果判定、3、生存率とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定していた海外学会が担当患者の状態の悪化によりキャンセルとなったため次年度使用額が生じた。 予定海外学会の使用に当てる予定である。
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