2013 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄幹細胞/前駆細胞のサブポピュレーションの解明:分化能・由来・微小環境との関連
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25293371
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大島 勇人 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70251824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻極 秀次 岡山大学, 医歯(薬)学総合研究科, 准教授 (70335628)
本田 雅規 日本大学, 歯学部, 准教授 (70361623)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歯髄 / 歯髄幹細胞 / 前駆細胞 / 再植・移植 / 幹細胞ニッチ / GFP骨髄移植マウス / BrdUラベル保持細胞 / 象牙芽細胞様細胞 |
Research Abstract |
(1)GFP骨髄移植マウスを用いた歯冠部の舌下部への移植後の歯髄における骨髄由来細胞の動態と分化能の解析 3週齢マウス第一臼歯を抜去後歯根と髄床底を除去し、歯冠部だけをGFP骨髄移植マウス舌下部に他家移植した。移植後2週後には歯髄腔には象牙質に加え、骨組織形成が惹起されるが、GFP陽性細胞(骨髄由来細胞)の関与を検索すると、歯の移植後に樹枝状の形態をした骨髄由来細胞が歯髄内に出現することが明らかになった。 (2)歯髄幹細胞の維持に関わる微小環境の解明:再植・移植実験を用いたLRCsの運命の検索 BrdUによる胎生期ラベリング法を用いてマウスの歯の損傷後の歯髄治癒過程における歯髄BrdUラベル保持細胞(LRCs)の維持機構について解析した。妊娠ICRマウスに3日間BrdUを腹腔内投与し、生後3週齢マウス上顎第一臼歯を抜去後再植、あるいは歯根を切除し歯冠部を舌下部へ自家移植、またラベルマウスと非ラベルマウス間で他家移植した。術後3日から8週後に灌流固定し、EDTA脱灰後に抗ネスチンおよび抗BrdU免疫組織化学および細胞増殖活性、アポトーシスを検索した。再植歯及び自家移植歯において、濃く染まるLRCsが実験期間中血管周囲に維持されており、増殖能と象牙芽細胞様細胞または線維芽細胞への分化能を維持していた。一方、他家移植歯では、免疫拒絶反応が惹起されない場合においても術後4週までにLRCsが歯髄中心部から消失した。LRCsの消失は、新たに分化した象牙芽細胞様細胞を除いて、LRCsに有意にアポトーシスが起こることに起因していた。以上より、他家移植におけるドナー・レシピエント相互作用が、幹細胞・前駆細胞と思われる濃く染まるLRCsの維持を阻害し、結果として、これらの細胞が消失することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
25年度予定していた二つの研究計画のうち、GFP骨髄移植マウスを用いた歯冠部の舌下部への移植実験に関しては、既に実験系を確立し、骨髄由来細胞の動態を捉えること成功している。また、歯髄幹細胞の維持に関わる微小環境の解明に関しては、ほぼ実験を終了しており、マイクロアレイにより、歯髄幹細胞維持に関わる候補因子の絞り込みを進めており、概ね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
GFP骨髄移植マウスを用いた歯冠部の舌下部への移植実験に関しては、骨髄由来細胞の細胞型の特定と細胞増殖、アポトーシスとの関連、LRCsとの相関を検索する予定である。歯髄幹細胞の維持に関わる微小環境の解明に関しては、歯髄幹細胞維持に関わる候補因子について解析を進める予定である。さらに、H2B-GFPマウスを用いた歯髄LRCsの局在と歯の損傷モデルにおける歯髄LRCsの動態の解析を開始する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
少額が残り繰り越しとしたため。 物品費に当てる。
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Research Products
(11 results)