2014 Fiscal Year Annual Research Report
歯髄幹細胞/前駆細胞のサブポピュレーションの解明:分化能・由来・微小環境との関連
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25293371
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大島 勇人 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70251824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
辻極 秀次 岡山理科大学, 理学部, 教授 (70335628)
本田 雅規 日本大学, 歯学部, 准教授 (70361623)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 歯髄 / 歯髄幹細胞 / 前駆細胞 / 幹細胞ニッチ / H2B-GFPマウス / BrdUラベル保持細胞 / 象牙芽細胞様細胞 / ソニックヘッジホッグ |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)H2B-GFPマウスを用いた歯髄LRCsの局在
本実験で用いるH2B-GFPマウスは、H2B-GFP融合タンパク質遺伝子をtetracycline response element を含むプロモーター (TRE) に組み込んだTRE-H2B-GFPマウスとROSA26領域のプロモーターにTREを活性化するtetracycline transactivator (iTA) を組み込んだR26<rtTA-TRECre>マウスの二つの系統のマウスを交配して得たマウスを米国ジャクソン・ラボラトリー社から購入した。胎生期ラベリング法をH2B-GFPマウスに応用した。E15~17にdoxycycline (Dox) を飲料水に加え、H2B-GFP発現をスイッチオンにし、歯髄LRCsの系譜を詳細に調べるために、経時的(P0、P3、P5、P1W、P2W、P3W、P5W)に動物を固定し、パラフィン切片を作製し、歯髄LRCsの局在・蛍光強度ならびに数の変化を追跡した。象牙芽細胞分化マーカーであるネスチン免疫組織化学も行い、多重蛍光解析、抗GFP抗体による免疫組織化学を行った。生後1日では強くラベルされた歯髄組織幹細胞/前駆細胞と思われるLRCsが歯髄全体に多く存在したが、歯の発育の進行に伴いLRCsが歯髄中央部血管周囲に密に分布していた。この結果はBrdUラベリング実験とほぼ同じ結果を示しており、今後はDoxを投与する時期を狭め、効率的に歯髄幹細胞/前駆細胞をラベルする方法論を確立する必要がある。
(2)歯髄LRCsの維持機構の解析 歯髄LRCsの局在部位とGliタンパク質、ソニックヘッジホッグShhの受容体であるPatchedが歯髄LRCsとオーバーラップしていた。この結果は、静的quiescenceな歯髄幹細胞/前駆細胞がShhシグナルで維持されていることを示唆している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初、H2B-GFP融合タンパク質遺伝子をtetracycline response element を含むプロモーター (TRE) に組み込んだTRE-H2B-GFPマウスとROSA26領域のプロモーターにTREを活性化するtetracycline transactivator (iTA) を組み込んだR26<rtTA-TRECre>マウスの二つの系統のマウスを購入する予定であったが、二つ系統を掛け合わせたマウスが販売されるのを待ってマウスを購入した。H2B-GFPマウスを用いた歯の外傷実験、in vitro分化誘導実験の開始が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
Doxを投与する時期を狭め、効率的に歯髄幹細胞/前駆細胞をラベルする方法論を確立した後に、H2B-GFPマウスを用いた歯の外傷実験、in vitro分化誘導実験を行う予定である。
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Causes of Carryover |
発注済み物品の支払いが次年度になったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
発注済みで次年度にすみやかに支払いを完了する予定。
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Research Products
(11 results)