2014 Fiscal Year Annual Research Report
口腔癌におけるlong non coding RNAの役割と臨床的意義の検討
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25293407
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
椎葉 正史 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (20301096)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹沢 秀樹 千葉大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (50236775)
笠松 厚志 千葉大学, 医学部附属病院, 助教 (60375730)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | long non-coding RNA / 口腔扁平上皮癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト口腔扁平上皮癌および正常口腔粘膜上皮臨床検体(各100例)を用い、昨年度同定した10配列のlong non coding RNAについてreal-time PCR (Roche-Diagnostics)を実施した。前年度に行った細胞株によるmicroarray解析(Agilent)およびreal-time PCRの結果と同様の発現傾向を示すものもあったが、臨床指標との有意な統計学的相関は認めなかった。そこで、発現状態に関して、Microarray解析の結果とreal-time PCR (口腔扁平上皮癌細胞株、臨床検体)の結果とが同じ傾向にあるもののうち、UCA1とLINC00256Aの2配列について、カスタムsiRNA導入(Sigma Aldrich)による機能解析を実施した。2つの口腔癌由来細胞株(HSC-4、Sa3)にカスタムsiRNAを導入した。これらの細胞株における目的lncRNAの有意な発現抑制をreal-time PCR法で確認した。それらの細胞を用いて増殖能試験(proliferation assay)、遊走能試験(scratch assay)、浸潤能試験(invasion assay)を実施した。①増殖能についてはコントロール細胞との比較において有意な違いは認めなかった。②遊走能および浸潤能についてはUCA1、LINC00256A共にコントロール細胞に比べsiRNA導入細胞において有意な低下を認めた。 以上の結果より、long non coding RNA 配列であるUCA1とLINC00256Aは、口腔扁平上皮癌の運動能に寄与することが示唆された。 次年度は、UCA1、LINC00256A以外の新規候補lncRNAについても引き続き検索・解析を進めていくとともに、更にこれらの配列につき、カスタムshRNAの作製・導入による安定的な発現抑制細胞を作製し、Microarray解析によるターゲット遺伝子の同定とその機能解析を行い、包括的に研究成果をまとめていく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度に予定していた研究計画には十分到達することができた。本年度は、Microarray解析の結果とreal-time PCR の結果とが同じ傾向にあるもののうち、UCA1とLINC00256Aの2配列について、カスタムsiRNA導入による機能解析を実施した。その細胞株を用いて、機能解析を実施したところ、運動能に寄与することが示唆された。これまでの研究成果は次年度以降の研究計画に大きく寄与できる内容であり、本年度の実績としては順調に進展しているものと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度に同定した2配列(UCA1、LINC00256A)につき、カスタムshRNAの作製・導入による安定的な発現抑制細胞を作製し、再度その性質を解析する(増殖能、浸潤能、遊走能)。加えて同細胞を用い、Microarray解析によるターゲット遺伝子の同定とその機能解析を行う。またUCA1、LINC00256A以外の新規候補lncRNAについても引き続き検索・解析を進めていく。いずれも当研究室において蓄積されたデータや、行われてきた実験手法を用いるものであり、スムーズに研究を進めていくことができると考えている。
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