2014 Fiscal Year Annual Research Report
半導体シーケンサーによる口腔フローラの網羅的解析結果と健康との関連性の解明
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25293428
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
山下 喜久 九州大学, 歯学研究科(研究院), 教授 (20192403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
江島 伸興 大分大学, 医学部, 教授 (20203630)
古田 美智子 九州大学, 歯学研究科(研究院), 助教 (20509591)
竹下 徹 九州大学, 歯学研究科(研究院), 准教授 (50546471)
清原 裕 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80161602)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 口腔フローラ / 網羅的解析 / 16S rRNA遺伝子 / 次世代シーケンサー / 分子疫学 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は平成24年に採取した唾液について細菌DNAを抽出し、16S rRNA遺伝子の半導体シーケンサーを用いた解析を進めた。平成19年に採取した唾液中の細菌構成については半導体シーケンサーを用いた解析を完了し、口腔および全身の健康状態との関連についての横断的解析を開始した。40代から70代の住民2344名の唾液中からは550菌種(OTU)が検出され、Streptococcus mitis、Streptococcus salivarius、Granulicatella adiascens、Neisseria flavescens、Prevotella melaninogenicaといった77菌種は多くの被験者に共通して検出された。う蝕関連細菌であるStreptococcus mutans、歯周病関連菌であるPorphyromonas gingivalisをはじめとするred complex細菌は検出菌種数の多い被験者ほどより高頻度検出され、検出菌種数および菌種の系統関係を考慮に入れたα-diversityの指標であるphylogenetic diversityの高い被験者ほど口腔の健康状態が悪化している傾向が認められた。重回帰分析を用いて宿主要因同士の交絡を調整したところ高い唾液細菌叢のphylogenetic diversityは、多数のう蝕歯、歯肉出血部位、深い歯周ポケット、欠損歯および喫煙と有意に関連していることが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた平成24年の健康調査で採取された唾液中の細菌の16S rRNA遺伝子の半導体シーケンサーを用いたシーケンス解析についてはほぼ順調に進んでいる。さらに、平成19年度の健康診査で採取された唾液中の細菌の16S rRNA遺伝子のシーケンスデータについては検出菌種数および菌種の系統関係を考慮に入れたα-diversityの指標であるphylogenetic diversityと下記に示す口腔の健康評価結果を目的変数とした重回帰分析を行った結果、phylogenetic diversityが多数のう蝕歯、歯肉出血部位、深い歯周ポケット、欠損歯および喫煙と有意に関連していることが明らかとなった。 ① 口腔の健康評価:歯周組織の評価は米国国民栄養調査 (NHANES III) と同様の方法で、プロービングデプス、アタッチメントロス、プロービング後の出血、口腔清掃状態等を記録したもの。歯冠部齲蝕については学校歯科保健の診査基準に準じてCとCOを検出したもの、根面齲蝕についてはWHOの基準に準じてCを検出したもの。また、口腔粘膜病変については白板症、扁平苔癬、潰瘍、カンジダ症などの有無とその部位について診査し、WHOの基準に準じて記録したもの。
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Strategy for Future Research Activity |
平成19年度の健康診査結果については、細菌叢解析結果と下記に示す全身の健康との関連の解明を進め、さらに平成24年度の健康調査で採取された唾液中の細菌の16S rRNA遺伝子の半導体シーケンサーを用いたシーケンス解析が終了次第、平成19年度のデータ解析と同様に、口腔細菌叢と口腔および全身の健康との関連性の関係の研究を進める。
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Causes of Carryover |
24年度の健康診査受診者の細菌叢解析が完全に終了しなかったことから物品費および人件費に残余が生じた。また、予定していた学会出張を取りやめたことで旅費に残余が生じた。その他の残余は24年度の健康診査受診者の細菌叢解析の終了に合わせて、住民への結果周知保酷書を作成する予定であったが、作成を翌年に延ばした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度に、24年度の健康診査受診者の細菌叢解析を完全に終了することで物品費ならびに人件費については消費する。さらに旅費費ついては今年度予定の学会参加を予定より増やして、各方面に我々の研究成果の周知を広める。また、24年度の健康診査受診者の細菌叢解析の終了に合わせて、住民への結果周知保酷書を作成する。
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Research Products
(14 results)
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[Journal Article] Distinct composition of the oral indigenous microbiota in South Korean and Japanese adults2014
Author(s)
Takeshita T, Matsuo K, Furuta M, Shibata Y, Fukami K, Shimazaki Y, Akifusa S, Han DH, Kim HD, Yokoyama T, Ninomiya T, Kiyohara Y, Yamashita Y
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Journal Title
Sci Rep
Volume: 4
Pages: 6990
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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