2017 Fiscal Year Annual Research Report
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25293436
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Research Institution | St. Luke's International University |
Principal Investigator |
縄 秀志 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 教授 (90254482)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
本城 由美 (佐居由美) 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (10297070)
樋勝 彩子 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 助教 (30759147)
矢野 理香 北海道大学, 保健科学研究院, 教授 (50250519)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 気持ちよさ / 看護ケア理論 / 安楽 |
Outline of Annual Research Achievements |
前年度は、看護師を対象とした質的研究結果から「気持ちよさ」をもたらす看護ケアモデル(案)を作成した。このモデルの検証を目的に、今までの研究結果から「気持ちよさ」をもたらす看護ケアに関する看護師の認識を明らかにする質問紙を作成した。 質問紙は、「患者に気持ちよさをもたらした事例の中で、最も印象に残っている場面を思い起こして」回答するものであり、事例について10項目、ケアの目的14項目、患者の反応39項目、家族の反応5項目、看護師の反応23項目および対象者の特性9項目の合計100項目である。ケアの目的、患者の反応、家族の反応、看護師の反応については、とてもあてはまる4点~全然あてはまらない1点で回答する。 全国の100床以上の病院約4,000か所から層化無作為抽出法により約400か所を選定し、協力の意思を示した61施設171病棟の看護師を対象とした。質問紙は、1023部配布し、回答は885部(回収率86.5%)であった。 対象者は、女性が92.9%、経験年数5年未満17.9%、5年以上81.8%であった。事例は、慢性期29.9%、ターミナル期24.8%、急性期22.5%、回復期19.6%であった。ケア内容(複数回答可)は、清拭35.3%、足浴22.6%、洗髪21.9%、入浴20.9%、シャワー浴18.1%、マッサージ16.3%、手浴11.9%等でありケアを組み合わせていた。ケアの目的の上位5項目は、患者の希望するケアをかなえたい、患者の苦痛を緩和したい、患者にとって良い時間をつくりたい、患者との関係を築きたい、であった。患者の反応の3点以上は、気持ちがいい、笑顔のなる、きれいになる、爽快感がある、表情が穏やかになる、感謝する、リラックスする、温かくなるの8項目であった。家族の反応の3点以上は、喜ぶ、感謝するの2項目であった。看護師の反応の3点以上は、18項目に及んだ。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
全国調査のデータ収集完了が3か月遅延し、データ入力に1か月かかった。データ分析を開始し、記述統計のデータについて学会等で発表したが、当初の予想に反して変数間の関連が複雑であることが判明し、多変量解析の方法についての再検討が必要になった。多変量解析の方法についてのコンサルテーションを依頼する研究協力者の確保にも時間を有した。従って、9か月程度の遅れが生じている。
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Strategy for Future Research Activity |
多変量解析の方法についてコンサルテーションを受け、データ分析を続ける。 慢性期、ターミナル期、急性期、回復期の患者の状態、ケアの内容、ケアの目的の相違に対して、患者の反応(ケア中、ケア直後、その後)がどのように違うのか、家族の反応がどのように違うのか、看護師の反応はどのように違うのかについて検討する。 対象者の特性、病床数、看護体制の相違に対して、ケアの内容、ケアの目的の相違に対して患者の反応(ケア中、ケア直後、その後)がどのように違うのか、家族の反応がどのように違うのか、看護師の反応はどのように違うのかについて検討する。 質的研究から作成した「気持ちよさ」をもたらす看護ケアモデル(案)と量的研究結果を統合し、「気持ちよさ」をもたらす看護ケアモデルの構築を試みる。
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Causes of Carryover |
データ収集完了が遅延し、データ分析方法も再検討が必要になったために、データ分析が途中となってしまった。そのために、データ分析の費用、結果を検討する会議費、論文作成・投稿費用などが未使用となった。 次年度は、データ分析を完了し、理論化に向けた会議、論文作成等の費用として使用する予定である。
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Research Products
(6 results)