2014 Fiscal Year Annual Research Report
「糖尿病患者へのエンボディメントケア」の効果検証とその実用化への方略の検討
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25293444
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
野並 葉子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (20254469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片岡 千明(近藤千明) 兵庫県立大学, 看護学部, 助教 (40336839)
米田 昭子 山梨県立大学, 看護学部, 准教授 (70709732)
添田 百合子 創価大学, 看護学部, 准教授 (50512034)
魚里 明子 関西看護医療大学, 看護学部, 教授 (90461160)
河田 照絵 東京医科大学, 医学部, 講師 (40438263)
佐佐木 智絵 関西国際大学, 保健医療学部, 講師 (20335904)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 臨床看護学 / 慢性病看護学 / 糖尿病患者 |
Outline of Annual Research Achievements |
1)「糖尿病患者へのエンボディメントケア」の効果検証の開始 効果検証に際して、5名の実践者による介入の準備が整っている。3名の患者に対する介入を開始しており、各実践者の所属機関での研究倫理委員会の承認と患者選定が終わり次第、順次介入を開始する予定になっている。実践者は、「糖尿病患者へのエンボディメントケア」開発に携わった研究分担者、および研究協力者4名と、これまでに行った実践家育成のためのワークショップ修了者1名である。実践者育成の成果もあり、effectiveness researchによる「糖尿病患者へのエンボディメントケア」プロトコールを用いたケアの効果検証を実行中である。 2)実践者の育成と実践共同体の発展 ①実践家の育成:実践者育成のために、Community of Practiceの手法を用いた「エンボディメントケアワークショップ」を開催した。今年度は10人の新たな実践家が参加し、修了した。ワークショップは、4か月間に5回行い、「糖尿病患者へのエンボディメントケア」プロトコールを用いながら、概念と方法についての学びの場を整えた。また、修了者のフォローアップのために、エンボディメントケアリサーチカンファレンスを2回開催し、エンボディメントケアの実践報告をベースに、修了者のスキルアップと、共同体形成の場とした。 ②実践共同体の発展と拡散・公表:これまでのワークショップ参加者の実践をケーススタディとし、日本糖尿病看護・教育学会、日本看護科学学会の各学術集会において、交流セッションを行った。修了者の共同体へのコミットメントを深めるとともに、自立した実践者の育成と、共同体の発展のための拡散ツールとした。さらに、一昨年度までのワークショップで行ったフォーカスグループインタビューデータを分析し、研究成果として発表した。現在投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成26年度の研究実施計画では、「糖尿病患者へのエンボディメントケア」プロトコールに沿って、介入を開始し、データを集積することであった。 一部開始し、データ集積が進んでいる。実践者の所属機関における組織変更や人員配置上の問題等により、未開始の部分があるが、今後状況の改善が見込まれており順次実施可能である。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続きケアの介入によるデータの集積を進める。開始を予定している実践者についても、所属施設で介入をできる状況が整ってきていることもあり、順次介入を開始できる状況にある。 今後は、介入件数を確保しつつ、より質のよいデータが得られるように研究体制を整えて支援を継続し、データの集積を行う。特に、双方向コミュニケーションツールとして、実践家のためのSNS式ホームページを活用し、サポート体制を構築する。また、最終年度であるため、集積したデータを分析し、「糖尿病患者へのエンボディメントケア」によって、どのような効果がもたらされたのかを解析していく。 実践コミュニティーについては、引き続きワークショップとリサーチカンファレンスを行い、実践家の育成とコミュニティーの発展、および修了生のスキルアップを図っていく。特にワークショップに関しては、開催地を東京に移動し、地域を拡大していく方針である。 これまで、研究課題Ⅰとして「糖尿病患者へのエンボディメントケア」プロトコールにそった実践介入の効果検証、研究課題Ⅱaとして、Community of Practiceを用いた実践共同体の教育効果の検討を行ってきた。今年度は、研究課題Ⅱを中心として、「糖尿病患者へのエンボディメントケア」の波及効果について明らかにし、実用化への方略の検討を行う。具体的には、現在の効果検証における実践者と、ワークショップ修了者でエンボディメントケアを実践してきた実践者に対して、インタビューと質問紙調査を行い、チーム医療における波及効果と実践導入上の課題を明らかにする。
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Causes of Carryover |
平成26年度までの予算執行状況は、計画書で示した経費の83%執行している状況である。使途別にみると、物品費は86%、旅費は85%、人件費・謝金が31%、その他95%となっている。これらのことから、人件費・謝金以外はおおむね計画的に使用している。 人件費・謝金の予算に関しては、計画書段階では、実践化育成のためのワークショップやグループインタビュー、作成したエンボディメントケアの効果検証において、データ整理など人件費が必要になると計上していたが、分担研究者6名や連携研究者がそれぞれ協力、分担し研究を行ったことにより予算を使用せず研究を進めることができた。 また、開発したエンボディメントケアの効果検証のためのデータ収集に関して、10名の介入を予定していたが、現在5名の介入を開始している段階であり、予算に残額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、開発したエンボディメントケアの効果検証のためのデータ分析を行っていくこと、Community of Practiceの方法を用いた実践家育成の成果を公表していくこと、開発したエンボディメントケアの論文発表を予定している。そのための研究会議費、翻訳費として使用予定である。また、現在運営中のホームページの管理を行い、実践家のデータ蓄積を行っていく予定である。
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Remarks |
エンボディメントケア看護研究会のホームページ内に会員限定のインターネットコミュニティサイトを設けている。
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Research Products
(4 results)