2015 Fiscal Year Annual Research Report
「糖尿病患者へのエンボディメントケア」の効果検証とその実用化への方略の検討
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25293444
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Research Institution | University of Hyogo |
Principal Investigator |
野並 葉子 神戸女子大学, 看護学部, 教授 (20254469)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐佐木 智絵 関西国際大学, 保健医療学部, 講師 (20335904)
片岡 千明 (近藤千明) 兵庫県立大学, 看護学部, 講師 (40336839)
河田 照絵 東京医科大学, 医学部, 講師 (40438263)
添田 百合子 創価大学, 看護学部, 准教授 (50512034)
米田 昭子 山梨県立大学, 看護学部, 准教授 (70709732)
魚里 明子 神戸女子大学, 看護学部, 教授 (90461160)
馬場 敦子 神戸女子大学, 看護学部, 講師 (40758520)
藤原 由子 神戸女子大学, 看護学部, 講師 (70549138)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 臨床看護学 / 慢性病看護学 / 糖尿病患者 |
Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、研究目的に掲げている「糖尿病患者へのエンボディメントケア」のプロトコールをCommunity of Practiceの手法を用いて患者・看護師にどのような効果が生じるのかについて明らかにするため、サンプル数を増やし、介入効果の分析を行った。 結果、1.介入に関して反応すると考えられる糖尿病患者を現在進行形のケースも含めて6例選定した。選定に当たっては、患者、看護師、対象者の所属施設に研究内容の説明を行い、同意を得たうえで実施した。必要な施設においては、施設の倫理委員会の承認を得たうえで研究におけるデータ収集を行った。2.対象となる患者それぞれに研究協力者である看護師が先行研究において開発した「糖尿病患者へのエンボディメントケア」のプロトコールを実施し、入院から退院への移行期にある患者に対して、外来受診時に月に2回、30分から40分のケアを行った。3.介入した内容をプロトコールの記録用紙をもとにデータ収集を行った。4.介入によるefficacyとして、HbA1Cの経時的変化、肥満度、血糖の変動、看護師の職業達成度・満足度の指標をとり、effectivenessとして、誰に効くか、効かないか、どのように効くかについて着目し、介入時の会話や糖尿病患者に介入した看護師へのインタビューのデータを収集した。 平成27年度は研究会議を4回開催し、研究メンバー間で記述データの分析を検討した。研究分担者以外の看護師がデータ収集のために患者介入を行ったケースにおいては、研究者および研究分担者が介入のためのサポートに当たることができるための調整を行った。 研究期間内に研究協力者が円滑にリクルートできるよう、エンボディメントケアリサーチカンファレンスを2回、3日間にわたるワークショップを1回開催した。カンファレンス及びワークショップでは、糖尿病患者へのエンボディメントケアの考え方の波及や、プロトコールを実践する看護師を育成するための場を作っていった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
統計上の最低サンプル数である6例は、現在進行形の事例も含めて糖尿病患者と介入する看護師を特定後、研究を進めることができている。さらに集積できるサンプル数として2例は、研究による介入を開始することができる状況にあり、研究協力看護師の所属施設で介入ができる環境が整ってきている。 研究協力施設における倫理審査の手続き、および対象者として該当する糖尿病患者のリクルートに当初の計画より時間を要しており、次年度まで研究期間を延長することで、さらなるサンプル数の増加を目指している段階である。
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Strategy for Future Research Activity |
研究最終年度として、「糖尿病患者へのエンボディメントケア」のプロトコールにそった実践介入の効果を検証し、研究課題Ⅱの「糖尿病案患者へのエンボディメントケア」の波及効果を明らかにし、実用化の検討を行う。 研究課題Ⅰに関しては、引き続きデータの集積を進める。今後は介入件数を確保しつつ、集積したデータの分析を行いながら今までのデータの集積を生かして質の良いデータが得られるよう、研究体制を整えたうえで研究を進めていく。 研究課題Ⅱに関しては、ケアを実施した看護師にインタビューと質問紙調査を行い、チーム医療における波及効果と実践上の課題を明らかにする。今年度も引き続き、研究会議およびリサーチカンファレンスを行い、研究協力を得た看護師のケースには、研究者及び研究分担者がサポートに当たることができるために話し合いや調整を行っていく。会議やカンファレンス、インターネットコミュニティサイトを通じてエンボディメントケアができる実践家の育成とスキルアップのためにコミュニティを発展させていく取り組みを行っていく。
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Causes of Carryover |
研究協力施設における倫理審査の手続き、および対象者として該当する糖尿病患者のリクルートに当初の計画より時間を要した。次年度に使用額を設け、さらに対象を2~5例増やすことができることを見込み、期間を延長する。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
ケア実施のための消耗品購入、資料整理のための人件費、研究協力者との会議時の交通費等、論文翻訳や構成の委託費
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Remarks |
エンボディメントケア看護研究会のホームページ内に会員限定のインターネットコミュニティサイトを設けている。 第8回エンボディメントケアワークショップ開催(2015.9.4~9.6 3日間)、第4回エンボディメントケア看護研究会リサーチカンファレンス開催(2015.5.24)、第5回エンボディメントケア看護研究会リサーチカンファレンス開催(2015.11.8)
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Research Products
(1 results)