2016 Fiscal Year Annual Research Report
子どもの臓器移植に直面した家族の合意形成をチームで支えるケアガイドラインの開発
Project/Area Number |
25293456
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
中野 綾美 高知県立大学, 看護学部, 教授 (90172361)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野嶋 佐由美 高知県立大学, 看護学部, 教授 (00172792)
益守 かづき 久留米大学, 医学部, 教授 (20238918)
池添 志乃 高知県立大学, 看護学部, 教授 (20347652)
佐東 美緒 高知県立大学, 看護学部, 准教授 (20364135)
高谷 恭子 高知県立大学, 看護学部, 講師 (40508587)
濱田 裕子 九州大学, 医学(系)研究科(研究院), 准教授 (60285541)
有田 直子 高知県立大学, 看護学部, 講師 (70294238)
田之頭 恵里 高知県立大学, 看護学部, 助教 (90758905)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 臓器移植 / 合意形成 / 家族 / チーム / ケアガイドライン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、『子どもの臓器移植に直面した家族の合意形成をチームで支えるケアガイドライン』を開発することであり、[目標Ⅰ]~[目標Ⅴ]を遂行する。 本年度は、昨年度に引き続き[目標Ⅰ]子どもの臓器移植に直面した家族が合意形成に至るプロセスを明らかにすること、[目標Ⅱ]子どもの臓器移植に直面した家族の合意形成をチームで支える構成要素を抽出し、[目標Ⅲ]『子どもの臓器移植の状況に直面した家族の合意形成をチームで支えるケアガイドライン(以下、ケアガイドライン)』の開発、並びに[目標Ⅳ]専門看護師や専門看護師教育課程の院生を対象とするケアガイドラインを用いた教育内容の構築に向けた整理を目的とし、研究分担者や研究連携者との全体会議を3回開催した。 [目標Ⅰ]について、家族会の協力も得ながら全17ケースの面接調査を終了し、分析を進める中で、疾患の特徴によって生体肝移植が必要となった子どもを育む家族が、子どもの命を守り抜く方法の模索、ドナーとなることへの覚悟、移植後の子どもと家族の生活を整えていくことなど、今までに経験したことのない様々な状況から多くの意思決定を経て、医療者・拡大家族とともに家族としての合意形成を繰り返し行っているあり様が浮き彫りとなった。 [目標Ⅱ・Ⅲ]について、子どもの臓器移植に関わった経験のある医療者への面接調査や移植コーディネーターを担った経験のある看護師(2名)のヒアリング調査の分析及びチーム形成に関する文献から、子どもの臓器移植に直面した家族をチーム全体で支えていく、チーム作りに果たす看護師の役割や意義について現在、抽出している。 [目標Ⅳ]について、家族の体験や医療者が家族とかかわる中で感じる介入時期として重要な時間軸とはどのようなものか、家族が子どもの臓器移植に直面する中で課題として捉えていることとは何かなど、教育ツールとして効果的な場面の抽出を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
[目標Ⅰ][目標Ⅱ]が本ケアガイドラインの礎となるため、本年度も面接調査やヒアリング調査・実施に重点を置きながら、[目標Ⅲ]と[目標Ⅳ]を並行しながら遂行した。そのため、調査結果数の増加に伴い、比較分析に時間を要することとなった。また、[目標Ⅲ]と[目標Ⅳ]を遂行するに当たり、研究分担者・連携研究者との時間調整をTV会議システムを活用しながら実施したが、全体会議として3回以上を設定することに困難を有した。したがって、当初の計画よりも長期となっている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.ケアガイドラインを洗練化する。 2.ケアガイドラインを用いて、研究分担者間で役割分担をしながら、子どもの臓器移植に直面した家族の10事例を作成する。 3.作成した事例を用いてロールプレイを行い、教育プログラムを作成する。 4.2.3.を経ながら、1.ケアガイドラインの有効性を確認し、より洗練化を図る。
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Causes of Carryover |
本調査の遂行に当たり、[目標Ⅰ][目標Ⅱ]の面接調査に重点を当てたため、研究分担者・研究連携者との全体会議開催が難航した。しかし、効果的な本調査実施に向けて、現在、研究連携者との新たなTV会議システムの導入を行うなど、引き続き本調査を実施している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究分担者・研究連携者とともに、本調査実施に未使用額を経費として充て、研究遂行に努める。
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