2013 Fiscal Year Annual Research Report
降雪地域の高齢者の心身機能向上を目的とした歩行機能サポートプログラムの構築と評価
Project/Area Number |
25293471
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kanazawa University |
Principal Investigator |
表 志津子 金沢大学, 保健学系, 教授 (10320904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岡本 理恵 金沢大学, 保健学系, 准教授 (50303285)
平松 知子 金沢大学, 保健学系, 准教授 (70228815)
斉藤 恵美子 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (90251230)
市森 明恵 金沢大学, 保健学系, 助教 (80507369)
榊原 千秋 金沢大学, 保健学系, 助教 (20367501)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 看護学 / 介護予防 / 歩行機能 / プログラム / 降雪地域 |
Research Abstract |
平成25年度は歩行機能サポートプログラム(以下、プログラム)の検討、評価指標の検討を行い、プレ調査を開始した。プレ調査の対象は、日常生活において身体活動に援助の必要がなく、質問や指示の理解及び判断が出来、介護保険の認定を受けておらず、足のセルフケアが可能な65歳以上の住民である。プログラムは、足・爪の構造と機能、足の手入れ、靴の選択、歩き方についての知識と足のケア技術の習得と月一回のサポートとして、平成25年12月から調査を開始した。プログラムの計画及び評価指標は研究分担者会議で検討し決定した。評価項目は先行研究において高齢者のフットケアの評価に用いられている、足の把持力、バランス、足底圧分布、10m歩行速度、足の形態、1週間の平均歩数・活動量、足の表面温度、認知機能、セルフケアの状況、歩行に関する意識、転倒不安、サポートの方法等とし、評価時に効果の検証に用いる指標の精選を行うこととした。対象者の同意を得て介入群と対照群を設けた。会場は大学会議室を使用した。 平成25年12月に開始したプレ調査参加者の平均年齢は介入群72.3歳、対照群74.4歳で有意差はなかった。1週間の平均歩数は介入群7061歩、対照群7794歩であり、健康日本21の70歳以上の男女平均を上回っていた。主観的に健康であると思っている者は介入群、対照群いずれも約7割であった。足の手入れに関して、足の指が動くと回答した者は両群とも9割、足の運動をしていると回答した者は介入群5割、対照群7割であった。足の表面温度や足底圧分布は、プレ調査期間前後の比較を質的・量的に行うよう評価方法について検討中である。介入群に対する知識、技術の習得のための教室では、PPTと資料を用いた講義と小グループによる足の観察や手入れを行った。介入群には月一回の電話サポートとプログラムの実施状況の確認を継続中である。平成26年6月に6か月後評価を行いプレ調査の評価を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、研究分担者と共に歩行機能サポートプログラム(以下プログラムとする)を企画し、研究計画を倫理委員会の承認を得て、指標を確定するためのプレプログラムの実施、評価を行う計画である。プレプログラムは、介入期間を冬期を挟んで6カ月に設定しており、評価を26年度に繰り越した。評価可能な調査を開始できたことから、計画はおおむね順調と評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後の予定として、平成26年度は予定通りプレ調査の結果をもとに評価指標の確定とプログラムの決定、評価方法の決定を行う。また平成27年度以降の調査計画については、対照群の協力が得られないこと、対象が高齢者で評価期間を1年毎とした場合の脱落者があることを鑑み、研究分担者会議で協議を行った。対照群の設定については、介入前6か月間を対照データとして用いる方向に研究デザインの修正を検討している。足のセルフケア実施はサポートする人材ネットワークや人材育成が必要であると課題が見つかった。今後、本プログラム実施後に地域包括支援センターで自主活動を行う可能性についても検討する予定である。足の観察や手入れの知識を有するボランティアの登用の可能性について、足のケアの実践者複数から助言を受けたい。 そのほか映像技術を有する専門家に依頼し調査場面の写真及びビデオを撮影し、協力者への依頼用画像を作成する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
評価指標として使用を検討していた下肢血流計は、効果の可視化と費用対効果の観点から購入を見送り、サーモグラフィを代替としたため次年度使用額が生じた。 未使用額は平成26年度分と合算し、物品費はライフコーダーの追加購入、旅費は結果の公表と情報収集、研究分担者会議に使用する。人件費・謝金はアルバイトや足のケア専門家への謝金として使用する。その他は、研究消耗品や資料の購入、介入用パンフレット等の作成に使用する。
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