2013 Fiscal Year Annual Research Report
アジア諸国の災害管理・復興に資する法制度構築の提言型学術調査
Project/Area Number |
25300013
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 海外学術 |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
金子 由芳 神戸大学, その他の研究科, 教授 (10291981)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北後 明彦 神戸大学, 学内共同利用施設等, 教授 (30304124)
角松 生史 神戸大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 教授 (90242049)
松岡 勝実 岩手大学, 人文社会科学部, 教授 (80254803)
山崎 栄一 大分大学, 教育福祉科学部, 准教授 (00352360)
飯 考行 弘前大学, 人文学部, 准教授 (40367016)
草野 芳郎 学習院大学, 法学部, 教授 (70433711)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 国際共同調査 / 国際共同執筆 / 災害法 / アジア法 |
Research Abstract |
本研究は「災害と開発」の問題領域への学際的貢献として、東日本大震災の応急・復興過程の制度的教訓を踏まえ、アジアの減災と被災者保護に資する制度構築の提言を目的とする。とくに被災者の居住・生業の早期再建の基盤をなす私権の保全と公助の関係、災害復興の住民参加手続、司法過疎地における災害紛争の解決制度、国際援助の受入れ基盤の各制度に着眼し、日本とアジアの災害被災地の法学研究者の連携を軸に、国際比較を通じて制度の現状を解明し、解決策を提言する。平成25年度は「早期生活再建(Early Recovery)」を共通テーマとして、主に以下の研究活動を実施した:①平成25年度当初:日本側作業部会が作成した調査項目に対し海外研究協力者の回答;②平成25年5月~6月:国内学会・国際学会における海外研究協力者との共同報告・討論(5月法社会学会ミニシンポジウムにて日本・韓国合同報告、6月Law & Society Associationボストン会議にて日本・タイ・インドネシア・フィリピンの合同報告、他);③同8月初旬:神戸大学・岩手大学合同による岩手沿岸被災地調査および研究フォーラム;④同8月:日本・タイ(チュラロンコン大学)合同によるタイ南部パンナー県・プーケット県での2004年インド洋津波被災村落調査および研究会;⑤同12月:日本・インドネシア(シャクアラ大学)・中国(中国政法大学)合同によるインドネシア・アチェ州での2004年インド洋津波被災村落調査および研究会;⑥平成26年3月:日本・フィリピン(フィリピン大学)合同によるレイテ島・サマール島での2013年11月台風ヨランダ被災村落調査および研究会;⑦平成25年12月~26年3月:上記の調査成果を踏まえ、国連の国際復興支援機関(IRP)からの依頼により、国連防災会議へ向けたGAR評価報告書を海外研究協力者と共同執筆。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
平成25年度は、タイ(チュラロンコン大学法学部)、インドネシア(シャクアラ大学津波防災研究センター・法学部)、中国(四川大学・中国政法大学)、韓国(江原大学)、フィリピン(フィリピン大学ディリマン校公共政策学部)他の海外研究協力者により、積極的な協力を得たことから、海外合同調査3件、学会合同報告2件、国連防災会議へ向けた報告書共同執筆1件、などの当初予定した以上の順調な進捗をみた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度の現地調査から明らかになった日本・アジア各地に共通する被災者の生活再建基盤たる私権の問題を、より深く比較検討し、実体的な課題を抽出するとともに、このような実体的問題を解決するうえでの公法的手続課題へと検討を進める。とくに平成26年度には「復興計画における被災者コミュニティの参加型手続保障」を共通テーマとし、日本・アジア各地の都市法・空間管理法における手続設計と運用実態に焦点を当てつつ、現地調査と研究交流を続ける。具体的には中国の2008年四川地震被災地、インドネシアの2004年インド洋津波被災地他における現地調査を予定し、またフィリピン・中国・トルコ・タイ他の関係者を日本(神戸・岩手)へ招聘して研究会を重ねる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年12月実施のインドネシア・シャクアラ大学でのアチェ・ワークショップにおいて、他国の海外研究協力者の招聘予定数が予定よりも少なかった。 2014年度8月に実施予定の四川ワークショップへの海外研究協力者の招聘数を増やし、もって国際研究交流の促進に活用したい。
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Research Products
(36 results)