2018 Fiscal Year Annual Research Report
Do differences in health seeking behaviors between ethnic minorities lead to variations in U5MR in SVK province?
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25300015
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
奥村 順子 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (40323604)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | ラオス / 少数民族 / 健康希求行動 / 乳児死亡 / 死亡要因 |
Outline of Annual Research Achievements |
調査対象7村に居住する民族は,プータイ族,トゥリ族,マンコン族であり,それぞれの村は単一の民族で構成されている。プータイ族は本研究の当初の計画にあったラハナムにおけるメジャーな民族であり本研究の調査地であるセポンにおいても彼らが住むDon Noi村では,各世帯の経済レベルおよび教育歴も同地域の他の村に比べて高い。同村では,予防接種率も高く疾病罹患の報告例も少なかった。 ①BCG接種率(予防接種率の代替),②自宅出産,③プータイ族か否か,④母親が過去に子供を失った経験,⑤もち米を乳児に与える行為,⑥対象児の5歳未満の兄弟の数,⑦母親の教育歴,⑧保健医療サービスへのアクセスの良さの8つの変数を投入してLogistic 回帰分析を行ったところ,同年代の兄弟が多く,乳児であるにも関わらずもち米を与えられており,保健医療サービスへのアクセスがよい村に居住する子供ほど疾病罹患頻度が高いことがわかった。医療への良好なアクセスは商業地域で販売されるスナック菓子,インスタントラーメン,人工甘味料入り飲料などの所謂ジャンクフードへのアクセスも良好であることを意味する。この為,地理的制約から保健医療サービスの利用が困難な地域では,疾病罹患頻度はアクセス良好な村に比し低かった。これまで,地域の開発や経済発展の影響を受けることが少なかった地域に,急速に多様な商品が導入されていくとその影響は小児の健康に害を及ぼすことが示唆された。 他方,予防接種の代替と言えるBCG接種を受けている小児では,疾病罹患頻度は低かった。予防接種については当然ともいえる結果であるとは言え,接種を受けることに否定的な住民が多い地域においてこのことを地域住民の保健啓発に活用することは意義があると考える。 本研究はラオス国内の地域間にある健康格差を明らかにすることができ,同国における人々の健康を推進するうえで意義がある。
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Research Progress Status |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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