2014 Fiscal Year Annual Research Report
多文化にひらかれた大学教員の国境を越えたネットワーク構築に関する研究
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25301051
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
倉地 曉美 広島大学, 教育学研究科(研究院), 教授 (00197922)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中山 亜紀子 佐賀大学, 全学教育機構, 准教授 (20549141)
加藤 鈴子 九州工業大学, 学習教育センター, 准教授 (30633151)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 国際比較研究 / 日米韓 / ネットワーク構築 / 大学教員 / 文化の多様性 / 質的研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
(1)平成25年度に引き続き、日本、韓国、アメリカにおける昨今の日本語教育、及び各国の日本語教育・日本語教師をめぐる文化的・社会的状況を明らかにするため、関連分野の文献資料を収集し、文献調査を継続した。(2)韓国の大学で、日本語を教えている大学教員を対象に、韓国におけるエスノグラフィックなインタビュー、並びに半構造インタビューを実施した。同時に、アメリカの大学において、日本語を担当する教員を対象にして、インタビュー調査を実施した。(3)研究分担者は、平成26年3月にAAA(アメリカ応用言語学会)でこれまでの研究成果の一部を口頭発表した。(4)前の科研の研究対象者となった、多文化にひらかれた日本語教員に「多文化にひらかれた大学教員のためのネットワーク」の開設を周知するとともに、(2)より抽出された韓国の多文化にひらかれた大学教員にも参加を呼びかけて、SNSを活用した日本語教師ネットワークの活動を立ち上げ、活動を開始する。 本研究を通して、大学教育におけるグローバル化の動きや、外交、とりわけ二国間の政治的、経済的な関係性、日本の国勢などが、各国の大学の日本語プログラムや、教師の立ち位置にどのような影響を及ぼしているかを明らかにすることは、日本、アメリカ、韓国の日本語教育を俯瞰する上で重要な意味を持つことがわかった。今後引き続き、グローバル化や、経済、政治的な関係性などの外的要因が、国内外の日本語教育やその担い手にどのような変化を及ぼしているかを解明することの重要性が認識された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
SNSへの参加状況にばらつきがあり、当初見越していたほどの分析データが集積していない。
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Strategy for Future Research Activity |
アメリカ、韓国でのインタビュー調査を進めるうちに、各国の日本語教育事情や教師の立ち位置に大きな変化が認められ、グローバリズムの影響との絡みで、この問題を探究していく。その一環として、特に昨今大学のグローバル化が推進されている日本の大学における日本語教育への影響に着目し、日本の大学で働く教員を対象にアンケート調査、インタビュー調査を実施し、今後さらに日米韓の国際比較研究を推進する予定である。
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Causes of Carryover |
研究代表者の健康上の理由により、海外でのインタビュー調査を研究分担者に委託したため、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
国内外のSNS参加者を対象に国内外でフォーカス・グループ・インタビュー調査実施するとともに、また国内外の研究協力者を招聘し、ネットワーク構築のあり方についての意見を聴取するため、そのための必要経費として使用する計画である。
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