2015 Fiscal Year Annual Research Report
フィリピンでの人獣共通感染症のレゼルボアとしての翼手目の総合的評価
Project/Area Number |
25304043
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
久和 茂 東京大学, 農学生命科学研究科, 教授 (30177943)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
谷口 怜 国立感染症研究所, ウイルス第1部, 研究員 (60734465)
水谷 哲也 東京農工大学, 農学部, 教授 (70281681)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 翼手目 / 疫学 / 動物 / ウイルス / 原虫 / フィリピン / 感染症 / 国際研究者交流 |
Outline of Annual Research Achievements |
翼手目(コウモリ類)は多様性とその分布、移動域の広さ、巨大なコロニー形成などの特徴をもつ特異な生物である。エボラウイルス、マールブルグウイルス、ヘンドラウイルスなどの高病原性病原体の自然宿主と疑われており、病原体レゼルボアとして高いリスクを持つ。しかしながら、翼手目の生物学的特徴に基づいた体系的な調査は行われていない。本研究は日本に近く、多種の翼手目が生息しているフィリピンにおいて翼手目の保有病原体の疫学研究等を実施することにより、翼手目の人獣共通感染症のレゼルボアとしての総合的な評価を行うことを目的としている。 今年度は2月21日から26日の6日間、フィリピン・ルソン島北西部のパンガシナン州マビニ市において翼手目の捕獲調査を実施した。日本から東京大学、東京農工大学、麻布大学、山口大学、千葉科学大学、国立感染症研究所に所属する11名の研究者(学生を含む)が参加した。マサンガイ教授(フィリピン大学ロスバニョス校獣医学部)ら、地元フィリピンの研究者も10名近く参加し、大所帯となった。その結果、捕獲作業中の死亡個体も含めると84頭の翼手目を採取することができた。今後、血清学的検査、形態学的観察あるいは分子生物学的検査等により、捕獲翼手目の病原体保有状況を調査するが、捕獲の最適期に捕獲調査を実施したため、サンプルの解析は次年度に繰り越して実施する。 また、これまでに採取したサンプルを用いて解析した成果を日本獣医学会学術集会等で発表するとともに、論文としてまとめ学術誌に投稿し採択された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予定通りルソン島北部で翼手目の捕獲調査を実施することができた。しかし、捕獲に適した季節(2月)に捕獲調査を行ったため、そのサンプルを用いた解析は次年度に実施せざるえなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
2016年2月に捕獲した翼手目の血清、臓器サンプル等の解析を行い、その成果を今後国内外の学術集会において発表するとともに論文としてまとめる。
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Causes of Carryover |
翼手目の捕獲調査を捕獲に適した2月に実施した。そこで得られたサンプルの解析は次年度に跨ることになってしまった。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
残りの研究費は、平成27年度の捕獲調査で得られたサンプルの解析、およびその成果の発表に使用する。
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Research Products
(8 results)