2017 Fiscal Year Annual Research Report
津波被災後の高齢者の外傷後成長と認知症に関する学際的研究-老いの成熟を目指して
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25305025
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
野村 亜由美 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 准教授 (50346938)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
増田 研 長崎大学, 多文化社会学部, 准教授 (20311251)
池田 光穂 大阪大学, COデザインセンター, 教授 (40211718)
二田水 彩 国際医療福祉大学, 成田看護学部, 助教 (40757720)
後藤 健介 大阪教育大学, 教育学部, 准教授 (60423620)
山本 秀樹 帝京大学, 大学院公衆衛生学研究科, 教授 (50243457)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 認知症 / 老い / 津波 / スリランカ / 医療人類学 |
Outline of Annual Research Achievements |
[野村]平成29年8~9月、平成30年2~3月にスリランカにて調査を行った。スリランカは西洋医学/伝統医療へのアクセスも良好で「医療」は人びとの生活に浸透しているものの、自己や他者の“健康問題/健康状況”がうわさ話や伝聞で伝えられることが多い。特に認知症に関するうわさ話や伝聞が日常の地域社会において、どのような認識のもと、あるいは何を/誰を頼りに、どのように広まっているのか、津波との関連について調査を行った。 [増田]東アフリカ、タンザニアのザンジバルにおいて、都市部居住の高齢者の生活とライフヒストリーに関するインタビューを実施した。また、エチオピア連邦民主共和国のアディスアベバにおいて、ホームレス高齢者のシェルターを運営するNGOを訪問し、ヒアリングと生活環境の観察を実施した。ザンジバルにおいては2016年より高齢者を対象とした医療費の無償化が実施されているが、この政策が高齢者の医療行動をどのように変化させているかについては未知で有り、今後の課題である。エチオピアにおいては近年、高齢者福祉が社会的に関心を集めるようになっており、アディスアベバに在所する複数の高齢者支援NGOに対する寄付や補助金が増加しているが、国全体をカバーできる福祉政策の実現にはまだ10年単位の時間がかかることが予想される。 [池田]PTGと疾患の罹患経験との関連に関心をもち、資料収集と得られた情報の分析をおこなった。本研究成果をひろく広報し、次世代学生への関心を喚起するために「老年人類学入門・加齢現象の文化人類学入門」ならびに「高齢者の外傷後成長と認知症に関する学際的研究に参加して」というウェブページを開設した。 [二田水]ドミニカ共和国在住の研究協力者や、ドミニカ共和国に長期に渡って滞在している関係者から、ドミニカ共和国における日系人高齢者や健康課題に関するヒアリングを行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
調査地のリサーチアシスタントらの協力のもと、高齢者へのインタビュー同行を依頼していたが、リサーチアシスタントらのアクシデントや出産・育児などにより、調査計画を変更しなければならない状況にあった。当該リサーチアシスタントは調査地に精通しており、研究の途中で代わりの者に依頼することができなかったため、全体の研究計画の進捗が遅れ、当初の研究計画を変更する必要が生じ、年度内完了が困難となった。
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Strategy for Future Research Activity |
データはほぼ揃っているが、平成30年度も引き続き調査とデータ分析を行い、年度内に研究成果をまとめる。
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Causes of Carryover |
H29年度は、調査地のリサーチアシスタントらのアクシデントにより、計画していた現地調査を行うことができなかった。また、本務の都合で年度内に調査を行えない研究分担者もおり、研究費を次年度に持ち越すことになった。
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Research Products
(13 results)