2015 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
25305037
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
森山 啓司 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20262206)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川口 陽子 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 教授 (20126220)
稲澤 譲治 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (30193551)
田中 敏博 東京医科歯科大学, 学内共同利用施設等, 教授 (50292850)
小川 卓也 東京医科歯科大学, 医歯(薬)学総合研究科, 講師 (50401360)
藤原 武男 国立研究開発法人国立成育医療研究センター, その他部局等, 部長 (80510213)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 歯学 / 疫学 / 顎顔面形態 / モンゴル国 |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、居住地域、気候ならびに食習慣を含む生活様式が、下顎の形態に多様性を与えているとの報告があるように、個々を取り巻く社会環境が顎顔面形態に与える影響について注目されてきている。アジアにおける同一人種間においても、それぞれの国における環境・社会要因が、顎顔面形態に何らかの影響を与えている可能性が考えられる。一方、遺伝的な要因による影響も示唆されており、遺伝的な側面からの検討も必要であると思われる。そこで、同一人種であるが異なる環境・社会要因を有する日本人とモンゴル人の顎顔面形態を比較研究することで、疫学的ならびに遺伝学的研究の両面から、不正咬合発症要因を明らかにすることを目的とした研究計画を立案した。 本年度(平成27年度)も、初年度(平成25年度)に立ち上げたコホート調査を引き続き行い、昨年度(平成26年度)同様にデータを蓄積することとした。対象は成長が著しく永久歯列期が完成される前後の10歳から16歳までの449人の児童とした。調査内容は、昨年度と同様に、質問紙への記入、モンゴル国立医科大学歯学部にてX線撮影、顔面および口腔内写真撮影、印象採得ならびにポータブルタイプの非侵襲的三次元撮影装置により顎顔面領域の撮影を行った。本年度は口腔関連Quality of Life (QoL) について、4つの質問領域(口腔内症状、機能障害、精神面への影響、社会面への影響)から構成されているChild Perception Questionnaire (CPQ)を追加した。結果として、不正咬合とCPQの関連性について、各4項目いずれも口腔関連QoLが低くなる傾向であったが、有意差は認められなかった。しかしながら、不正咬合について種類別にして検討したところ、上顎前突と口腔内症状 (P=0.014) 、機能障害 (P=0.007) 、社会面への影響 (P=0.025) それぞれに、また過蓋咬合と口腔内症状 (P=0.005) に有意な関連性が認められた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定通り、成長が著しく永久歯列期が完成される前後の10歳から16歳までのおよそ500人の児童の調査を遂行するだけでなく、口腔関連Quality of Life (QoL) について、4つの質問領域(口腔内症状、機能障害、精神面への影響、社会面への影響)から構成されているChild Perception Questionnaire (CPQ)を用い、不正咬合が口腔関連QoLに与える影響について検討を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
モンゴル国ウランバートル市における実態調査は本年度で終了となる。今後は、集積した資料を用い、継続して顎顔面に影響を与える環境・社会要因に関する解析を行うとともに、口唇裂・口蓋裂またその他顎顔面領域に認められる遺伝性疾患との関連性に関して遺伝子解析を行う。
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Causes of Carryover |
コホート学年の児童数が、転校等の理由で当初予定していた数より少なくなり、謝金にかかる費用が減少したため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
口唇裂・口蓋裂または歯数ならびに歯の形態異常を有する児童から得られたゲノム情報の解析に企てる。
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Research Products
(15 results)