2014 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25330033
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
橋口 博樹 東京理科大学, 理学部, 准教授 (50266920)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 重和 倉敷芸術科学大学, 産業科学技術学部, 教授 (90248203)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 統計計算 / コンピュータ支援統計 / 多変量解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,固有値分布に関して3つのテーマからなる.テーマ1は,正確な数値計算に関する数理,テーマ2は,近似分布の導出に関する数理,テーマ3は,現実問題への適用を考慮した応用である.H26年度では,前年度採択された論文の2本が刊行され,6件の学会発表,1件の国際会議,1件の国際シンポジウムでの発表を行った.テーマ1に関する成果としては,ホロノミックグラディエント法を相関係数の分布計算に適用し,その成果を国際シンポジウムで発表した.テーマ2では前年度に採択された論文が公表され,その発展問題を研究協力者と議論し,成果を小規模な研究会でも発表した.また,テーマ1から派生した問題についても3件の学会発表を行った,テーマ3に向けては,これまでの研究の成果を精査して1件の発表を行なった.本件の発表での成果は徐々に論文としてまとめるようにしている.当初の研究計画通り,平成25年度の実施計画を受けて26年度では,テーマ1,2に関して計算機シミュレーション実験を行った.そのためのプログラム作成を研究分担者,研究協力者とともに行った.標本相関係数の正確な数値計算では,過去に知られていた2つの密度関数は,ホロノミック性の観点からは同値であることが証明できた.また,ホロノミック勾配法を実行するにあたり,初期値問題が発生するが,この密度関数の場合には,正確な初期値が求められることも分かった.テーマ2では,固有値の分布の極限分布の導出に成功し,母固有値の信頼区間の構成を行った.また,その発展形である二標本問題でも同様の結果を示すことができ,H27で学会発表,論文投稿を行う予定である.テーマ3では,点過程でのデータ時系列からネットワークを推定する問題を,多次元尺度法を利用して解いた.その他にも,乱数生成への応用や無線通信システムでの数値シミュレーションも順調に進み,最終年度に成果報告等を行う予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
26年度は,25年度同様に成果がまとまり,成果発表も行っていることから順調に進んでいる.当初の予定で掲げたホロノミックグラディエント法や,主成分分析,無線通信システムへの応用についても,26年度に理論的な成果と計算機実験が順調に進んでいる.これらは,論文としてまとめている途中であるが,成果発表は随時行っている.昨年度同様に研究分担者,連携研究者,研究協力者の連携も良く,定期的に打ち合わせが行われて,分担して効率的にテーマの遂行が行われている.これらの協力者のもと,学会等発表も7件あり着実に成果を挙げている.テーマ1に関する成果としては,ホロノミックグラディエント法を標本相関係数の分布に適用しその有用性を示した.このテーマでは論文の投稿を予定していたが,これは来年度に持ち越しとなった.テーマ2でも新たな近似分布を導出し,昨年度採択された論文が刊行に至っている.さらに,2標本問題の拡張も成果として挙がり,27年度早々に学会発表,論文投稿を予定している.テーマ3に関連して,外部の研究者との共同研究によって成果が生まれたが,これは当初の予定にはなかったものである.さらに,テーマ3については,関連する論文の追試を行ない,これも研究協力者による発表が行われた.一部,遅れがあったものもあるが,逆に想定外の成果が生まれたことや,順調に数値実験も進んでいることなどから,総合的にはおおむね順調と考えられる.
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Strategy for Future Research Activity |
27年度は,第一に,26年度に学会,研究会で発表した成果をまとめ,論文として投稿する予定である.26年度に学会発表したものについては,研究分担者,連携研究者,研究協力者と打ち合わせの上,分担して論文執筆にあたる予定である.次年度も定期的に研究打ち合わせをセミナー形式で開き,進捗を確認しながら研究を遂行する予定である.
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Causes of Carryover |
成果報告書作成のための消耗品(文具等)を最終年度に購入するため,小額を来年度に繰り越した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
成果報告書作成のための消耗品(文具等)を最終年度にまとめて購入する際に有効に使用する.
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Research Products
(10 results)
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[Presentation] Inflated bootstrap2014
Author(s)
Naoto Niki, Yoko Ono, Hiroki Hashiguchi
Organizer
International Conference on Computational Statistics
Place of Presentation
5th IASC World Conference, Geneva
Year and Date
2014-08-19 – 2014-08-22