2014 Fiscal Year Research-status Report
クラス構造のメタ記述による合成を許すプログラミング言語機構
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25330076
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
久野 靖 筑波大学, ビジネスサイエンス系, 教授 (00170019)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | プログラミング言語 / オブジェクト指向 / アスペクト指向 / メタプログラミング |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は前年度の研究結果に基づき、提案機構を持つ言語を実際に実装した。実装方式としてはコンパイラ方式であり、C言語コードを出力形式として選択した(Cコンパイラによりコンパイルすることにより実行できる)。言語自体の特色としては、クラス構造のメタ記述を行う部分はメタ言語として通常のプログラミング言語部分とは区分された構文と機能を持つ形式とした。また、本研究の目的であるさまざまなメタ構造(継承やアスペクトなどに相当する機能)を記述可能とするため、メタ言語で呼び出せるクラス構造に対する操作APIも併せて設計・実装している。 これらの内容について、2015年11月の情報処理学会プログラミング研究会において発表をおこない、参加研究者と議論をおこなった。主な質問内容としては、このような言語は従来のアスペクト指向とオブジェクト指向の融合とは違うのか(解答としてはクラス構造を操作するAPIの範囲をうまく決めることで汎用的かつ実用的な言語とすることをめざしている点)、メタ言語部分による記述が「適切である」ことをどのように担保するのか(解答としては一般的な言語としての整合性の要件が組み込まれていてこれに反する場合はエラーとすること)、などがあった。 研究会発表の内容に基づき、リサーチレポートを作成して筑波大学リポジトリにおいて公開するようにした。今後の研究課題としては、当初から予定しているさまざまな応用可能性の探究に加え、研究会質疑で指摘された整合性に関する部分をより形式性をもって定義できる方法の探究があるものと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までの研究の進捗としては、計画していた通り、試験実装を開発し動作しているので、おおむね順調であると考える。成果の公表についても、プログラミング研究会において発表を行い、また同等の内容をリサーチレポートとして公開できている。ただし、研究を通じて明らかになった課題に対応するため、試験実装自体の改良は今後必要であるといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
最終年度は予定通り評価として、提案機構を持つ言語によって、その特色を行かしたどのような形のソフトウェア開発が行えるかを検討していく。また、研究会において指摘のあった、メタ記述部分の整合性に関して、より形式性があり厳密な定義を検討し、試験実装に組み込むことも検討していきたい。
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Causes of Carryover |
物品の購入金額ならびに旅費の所要金額に多少の変動があったため、次年度使用額が生じている。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額については、次年度の旅費使用額に追加して使用する計画である。
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Research Products
(2 results)