2013 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25330169
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
南 哲人 豊橋技術科学大学, エレクトロニクス先端融合研究所, テニュアトラック准教授 (70415842)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 脳波 / SSVEP / 認知状態 / 隠し絵 |
Research Abstract |
本研究は、これまで申請者が進めてきた、脳波による情報理解の「あいまいさ」に関する研究をさらに発展させ、定常状態視覚誘発電位を利用して、認知状態推移をとらえることを目的とする。今年度は、定常状態視覚誘発電位(Steady state visually evoked potential:SSVEP)を利用して、認知状態推移をとらえる研究を行った。先行研究によって、親しみのある画像と親しみのない画像を提示したときの SSVEP の振幅は差があること (Kaspar et al, 2010)からも、SSVEPにより隠し絵における「ひらめき」がとらえられると考えられる。実験は、隠し絵とその本来のモノクロ画像を実験手順に従って刺激提示周波数(7.5Hz, 12Hz)で提示を行った。被験者は、提示された刺激に対して、応答時間内にわかったかどうかを応答する。解析としては、グレイ画像を見た時の、「分からない」から「分かる」と最初から分かっている、つまり「分かる」―「分かる」と応答した場合のSSVEPを比較することにより、認知状態の遷移がSSVEPの振幅の差に現れるかどうかを調べた。隠し絵を見ている時の提示周波数の振幅を被験者の反応により比較してみると、7.5Hz帯では「分からない」方が高く、12Hz帯では「分かる」方が高くなる傾向が見られた。これらは、Kasperら(2010)の結果と矛盾しなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、SSVEPによる隠し絵知覚の実験を行い、「分かる」―「分かる」と応答した場合のSSVEPを比較することにより、認知状態の遷移がSSVEPの振幅の差を調べることができた。よって、順調に研究が進展していると言える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、モーフィング画像などを用いて、より詳細に、隠し絵知覚の認知状態推移を調べると共に、認知状態推移の対象を、知覚闘争現象に広げていく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
電極セットは、少数チャンネルで代用し、刺激呈示方法もフリーウェアで代用するなどの対応をしたため。 次年度は、より詳細な脳活動部位を推定する必要があるため、電極セットを増設する予定である。
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