2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
25330169
|
Research Institution | Toyohashi University of Technology |
Principal Investigator |
南 哲人 豊橋技術科学大学, エレクトロニクス先端融合研究所, 准教授 (70415842)
|
Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 脳波 / SSVEP / 認知状態 / 隠し絵 / 知覚闘争 / ネッカーキューブ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、二値画像からその答えであるグレースケール画像にモーフィングしていくことで、画像の曖昧性を時間変化させて、理解度の時間推移が SSVEPに及ぼす影響を調べた。実験では、本来の画像情報を劣化させることで画像情報を曖昧にした二値画像と答えとなるグレースケール画像を順に呈示することで、画像理解度の遷移を誘発させた。さらに刺激を7.5Hの明滅頻度で呈示させることによって SSVEPを誘発させた。そのときの脳波を計測するとともに、被験者には画像への理解度を応答することをタスクとして課した。計測した脳波データは、画像への理解度遷移の状態毎に分類し、Waveletによって時間周波数解析を行うことで、7.5HzのSSVEPを抽出した。なお、画像理解度は二値画像呈示後と答えの呈示後の被験者の応答を基に3条件 (NN:終始対象が捉えられなかった、NR:刺激 呈示中に理解できた, RR:事前の提示の時点で捉えられていた)とした。その結果、7.5Hz SSVEPが画像理解度を反映し、その振幅が変調されることを示した。それと共に、画像理解度の遷移についてもSSVEPの時間推移に現れることを示した。また、理解度を分離する上で重要なSSVEの特徴量について Support Vector Machineを用いて調べた。その結果、後頭で生じる理解度を分離するための時間窓毎の重みの時間変化が、理解度の時間的遷移を示していることが示唆された。本研究により、画像理解度が遷移した場合、SSVEP振幅が理解度を反映することを示し、画像理解度のダイナミクスの追跡に SSVEPが有用であることを明らかにした。これらの結果は、画像理解度をリアルタイムに推定する新しい Brain-Computer Interfaceへの応用が期待できる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画通り、SSVEPによる理解度ダイナミクスの実験を行い、隠し絵知覚において、答えが「分からない」ときから「分かる」に認知状態移行したときのSSVEPの時間的変調を調べることができた。よって、順調に研究が進展していると言える。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、知覚闘争現象もrotating sphereなど動的なものに広げて、認知状態のリアルタイム推定を行う予定である。隠し絵については、認知状態推移を示す生理的指標として脳波以外の生体信号にも着目する。
|
Causes of Carryover |
モバイル脳波計一式などを共同利用などで対応したため。
|
Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、実用的な研究に向けて、専用の脳波計などを導入する予定である。
|