2013 Fiscal Year Research-status Report
ヒトは何故、他者に対して公平に振舞うのか-公平性の基盤を探る-
Project/Area Number |
25330176
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Tamagawa University |
Principal Investigator |
岡田 浩之 玉川大学, 工学部, 教授 (10349326)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大森 隆司 玉川大学, 工学部, 教授 (50143384)
村井 千寿子 玉川大学, 脳科学研究所, 科研費研究員 (90536830)
高岸 治人 玉川大学, 脳科学研究所, 助教 (90709370)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 互恵性 / 公平感 / シミュレーション |
Research Abstract |
我々ヒトの日常生活は、他者に大きく依存し、他者との人間関係を調整する社会の規範・秩序に従っている。そのような社会規範や秩序維持に不可欠な心の性質の1つとして、公平性がある。それは遺伝的血縁や人種、ひいてはヒトだけに限られたものではない。何故、他者に対して公平に振舞うのだろうか? 本研究では、(1)社会的場面において、幼児はどのようにして公平性を獲得するのか(2)ロボットなどの機械に対しても、不公平感を感じるのは何故かの2点から社会における公平性の基盤を明らかにすることを目的としている。 (1)分配行動の互恵性の発達と心の理論の関係に関して、社会的な場面における公平性の発達過程を分配行動課題で観察した。特に、心の理論の発達段階との関連に注目し、提案者らの先行研究で示唆された、positiveな互恵性に関しては心の理論が関係しているが、negativeな互恵性に関しては心の理論は関係していない、ということを確認するとともに、間接互恵性の発揮にとって重要な要素である、「相手の気持を考慮する」ことの発達が分配行動と互恵性に与える影響を明らかにするための調査を行った。 (2)計算モデル化に関して、ヒトが持つ公平感を間接互恵性を基本としたモデルで説明することを試みた。つまり、他者に対する公平行動が評判を介して第三者から報われるために人々は公平的に振る舞うと説明する。具体的には岡田、大森が既に提案したコミュニケーションモデルを応用し、他者の行動を観察し、他者の意図やプランを推定、それに合わせて自身の行動を決定するモデルにおいて、非論理的推論、相互理解、意図推定の能力の発達と公平感発揮との関連に注目したシミュレーションプログラムを作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
分配行動の互恵性の発達と心の理論の関係に関する研究においては、目標としている行動実験を幼稚園において行った。今後は被験者を増やしてより定量的な評価を行う。 計算モデル化の研究においては、目標としているシミュレーションプログラムの作成が完了した。今後は、シミュレーションを行ない、各種パラメータの妥当性を検討する。
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Strategy for Future Research Activity |
分配行動の互恵性の発達と心の理論の関係に関する研究においては、被験者の数を増やすことが課題である。近隣の保育園や幼稚園の協力を得ながら進めていく。
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Research Products
(9 results)
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[Presentation] The facilitatory role of sound symbolism in infant word learning
Author(s)
Miyazaki, M., Hidaka, S., Imai, M., Yeung, H, H., Kantartzis, K., Okada, H., Kita, S.
Organizer
35th Annual meeting of the Cognitive Science Society
Place of Presentation
Berlin(Germany)
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