2015 Fiscal Year Annual Research Report
飼育環境による、化学物質に対する中枢神経保護システムへの影響
Project/Area Number |
25340047
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
山崎 岳 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (30192397)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
椋田 崇生 鳥取大学, 医学部, 講師 (60346335)
石原 康宏 広島大学, 総合科学研究科, 助教 (80435073)
石田 敦彦 広島大学, 総合科学研究科, 教授 (90212886)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 飼育環境 / トリメチルスズ / 海馬 / ニューロステロイド / 神経障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究実績の概要 離乳後のラットを3種の異なる環境(単独飼育、ケージあたり2匹での飼育、大型ケージで遊具と共に10匹で飼育)で6週間飼育したところ、海馬のニューロン数には大きな変化はなかった。しかし,自発運動量は単独飼育では大きく増加し,脳の機能に影響があると思われた。神経保護作用を有するBDNFの含量は単独飼育では低下しており、飼育環境が海馬に与える影響を定量的に明らかにした。自発運動量,BDNF含量とも,10匹飼育と2匹飼育には,差異は見られなかった。 これらのラットにトリメチルスズを投与し,投与前と投与1週間後に自発活動量を,投与一週間後に海馬のニューロン数とBDNF含量を定量した。自発運動量は,単独飼育では投与前から増加していたためか,投与による変化はなかった。2匹飼育,10匹飼育では,投与によって大きく増加した。ニューロン数は,投与によって減少したが,減少量は2匹飼育が小さく,単独飼育,10匹飼育で大きかった。BDNF量は,投与による増減は見られなかった。この結果は,2匹飼育(標準的な飼育法)に比べ,単独飼育では自発運動量やBDNF量に影響があったが,ニューロン数に影響はないが,トリメチルスズ投与によるニューロン数の低下がより大きく,海馬の脆弱性が高まっていたことを示す。おそらく,BDNFの低下がその原因であるだろう。10匹飼育でも,トリメチルスズ投与によるニューロン数の低下がより大きかったが,その原因は不明である。 また,トリブチルスズによる脳のダメージが、酸化ストレスに関係して引き起こされることを見出し、さらに in vitro の実験系であるが、虚血再灌流モデルを構築し、ステロイドホルモンが脳障害を軽減することと、その分子機構の一部を明らかにした。
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Research Products
(11 results)
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[Journal Article] Estradiol rapidly modulates synaptic plasticity of hippocampal neurons: Involvement of kinase networks.2015
Author(s)
Hasegawa Y, Hojo Y, Kojima H, Ikeda M, Hotta K, Sato R, Ooishi Y, Yoshiya M, Chung BC, Yamazaki T, Kawato S.
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Journal Title
Brain Res.
Volume: 1621
Pages: 147-161
DOI
Peer Reviewed
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