2014 Fiscal Year Research-status Report
地下水硝酸汚染防止のための硝酸イオン除去ビーズの開発
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25340081
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Research Institution | Fukuoka Institute of Health and Environmental Sciences |
Principal Investigator |
石橋 融子 福岡県保健環境研究所, その他部局等, 研究員 (90463512)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 茶畑 / 硝酸イオン / 陰イオン交換樹脂 / 亜酸化窒素 |
Outline of Annual Research Achievements |
茶畑への多量施肥によって地下水の硝酸イオンによる汚染が問題となっている.本研究では,茶畑土壌に硝酸イオンの吸着できる樹脂等を埋設し硝酸イオンによる地下水汚染を未然に防止することを目的とし,埋設するためのビーズや樹脂等の性能を確認し,その最適条件の検討を行っているところである.平成25年度は硝酸イオンを最も選択的に吸着することのできる陰イオン交換樹脂を選択した.しかし,硝酸イオンを吸着するだけでは樹脂はすぐに破瓜してしまうため,長期間使用できるように改良する必要がある.土壌中で脱窒を行うことができれば長期間使用できると考え,平成26年度は選択した陰イオン交換樹脂に吸着した硝酸イオンについて脱窒が可能であるかアセチレン阻害法を用いて確認することとした.45mLバイヤル瓶に土壌2g,陰イオン交換樹脂1g及び窒素で脱気した超純水(脱気水)20mlを加え,気相は窒素ガスで置換した.アセチレンを加えた系と加えない系を作成し30℃で保存した.数時間毎にバイヤル瓶中の気相をガスタイトシリンジで採取し,亜酸化窒素濃度をGC/ECDで測定した.24時間後のアセチレンを加えた系とアセチレンを加えていない系を比較するとアセチレンを加えた系の方が亜酸化窒素濃度が高かった.また,アセチレンを加えた系で,陰イオン交換樹脂を加えた系及び加えていない系を比較すると亜酸化窒素濃度はほとんど変わらなかった.よって,陰イオン交換樹脂に吸着した硝酸イオンは脱窒可能であることが確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
陰イオン交換樹脂に吸着した硝酸イオンが脱窒可能であることをアセチレン阻害法により確認することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
脱窒を土壌中で行うための最適条件を検討する.
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Causes of Carryover |
旅費の精算方法に誤りがあったことが3月31日に指摘され即日返金した.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験に使用しなければならない試料(湧水及び茶畑土壌)が不足しているため採取する必要がある.そのための費用(旅費)として使用する.
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