2013 Fiscal Year Research-status Report
「適正なクレームの発信」に必要な要素の分析、および教育法の考案
Project/Area Number |
25350056
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (C)
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Research Institution | Mejiro University |
Principal Investigator |
田中 泰恵 目白大学, 社会学部, 教授 (80507749)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | クレーム / 論理的思考力 / コミュニケーションスキル |
Research Abstract |
本研究ではクレームを「問題解決を求めている場合の要求・主張」と定義しており、一般消費者のクレーム行動を量的および質的な調査により分析・分類することにより、「自己中心的で理不尽な要求をするクレームの発信」および「利他的なクレームの非発信」の要因を明らかにすること、および「適正なクレームの発信」に必要な要素を導き出し、その教育方法や環境を提示することを目的としている。平成25年度においては量的な分析として、30代・40代の男女620名に対してクレーム行動経験および個人特性(攻撃性、論理的思考力、コミュニケーションスキル)に関する質問紙調査を実施し、その関係性を分析した。その結果として、次のようなことが得られた。 ①クレーム行動経験(自分でクレームを言った・言わない)と個人特性の関係を分析したところ、相手にクレーム(問題解決を求めている場合の要求・主張)を伝える能力として、論理的思考力、コミュニケーションスキルが関与していることが示唆された。つまり,適正なクレームの発信能力を育成するためには、これらの教育が必要であることも示されたと考えられる。 ②クレームだと感じた際の行動タイプとして、「みんなに言う群」「だんまり群」「周囲には言わない群」「周囲には言う群」の4タイプに分類が可能であることが示された。また、タイプによって個人特性に差があることが明らかになった。さらに、実際のクレームを感じた場面におけるクレーム理由とタイプの関連を検討した結果、利他的なクレームである「改善希望」を理由にしたタイプは、あまりクレームを伝えない「だんまり群」であることが明らかになった。このように改善希望をもっていながら,それを伝えないということは社会全体の不利益であり、クレームの伝え方などの消費者教育の必要性・重要性が示唆されたのではないかと考える。 以上
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の第1の目的は、「自己中心的で理不尽な要求をするクレームの発信」および「利他的なクレームの非発信」の要因を探るために、まず一般消費者のクレーム行動を調査票調査により分析し、クレーム行動タイプの類型化を行うとともに、それと個人特性との関係を明らかにすることにあり、これが平成25年度の研究計画内容でもあった。これらについては、上記の研究実績の概要にあるように一定の成果を得ることが出来たと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
平成26年度は、調査票調査の結果の検証および補完として、消費生活センター等行政機関の相談員、企業のお客様相談室担当相談員などクレームの受け手に対して聞き取り調査を実施する予定である。それらを踏まえながら、本研究の第2の目的である「適正なクレームを発信しやすくするための環境や好ましい対応方略モデル、および教育方法の具体化」に取り組みたい。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
当初の計画において、平成25年度に実施する予定であった調査票調査の実施が、平成24年度末の実施となってしまったため(科研費の決定の前に実施となってしまったため)、約半額は前年度に支払う必要が生じた。そのため科研費での支払いが、予定していた調査費用の支払額よりも大きく下回ってしまったことが、次年度使用額が生じた理由である。 今後の研究として、適正なクレームを発信しやすくするための環境や好ましい対応方略モデル、また教育方法を具体化する予定である。その過程において、信頼性・有効性の高いものとするため、効果を検証するための調査票調査等を実施する予定であり、それらに関する費用に使用したいと考えている。
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Research Products
(2 results)