2015 Fiscal Year Annual Research Report
ネットワーク分析を用いた生活機能維持困難地域の測定手法の開発
Project/Area Number |
25350058
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Research Institution | Chiba University of Commerce |
Principal Investigator |
平原 隆史 千葉商科大学, 政策情報学部, 教授 (30438915)
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Project Period (FY) |
2013-04-01 – 2016-03-31
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Keywords | 高齢社会 / 交通権 / ネットワーク分析 / 地域政策 / 地域再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
日本において高齢化と地方における人口減少は、地域社会・地域環境に対して悪影響を及ぼし、地域コミュニティを衰退させるという悪循環をもたらしている。しかし地域コミュニティが維持できるためにはどのような社会資本が維持できればよいかを明確に把握していない。そこで、地域コミュニティを維持するためには、最低限どのような機能が必要で、併せて最も単純に地域コミュニティの状況を表現しうる指標を考察した。 これまでの先行で行っていた調査に加えて、全国6箇所の自治体の実情をインタビューやフィールド調査を行い、地域コミュニティ維持に地域内での移動手段の確保が重要であるとの知見を得た。これを自治体などの提供したデータや既存の地域情報を用いて総合的な定量分析を試みた。その結果、地域人口の流動化を抑制するために、地域内で移動手段の確保が影響を及ぼしていることが、統計的にも明らかとなった。 特に高齢者にとっては、生活を維持するための移動は一定のアルゴリズムが存在しており、具体的には病院への通院と日常生活に必要となる商品の購入ができる場所へのアクセスが移動のほとんどであり、この2つの移動アルゴリズムを充足できる時、人口が減少している地域においても高齢者人口や世帯数などの減少を食い止める効果があることが定量分析により示された。 この結果は、すでに分析結果の一部を学会で発表を行い、学術論文の形で公表している。今後は一部地域で終わっている分析を今回調査を行った自治体すべてに分析を進めていく予定である。また高齢者の移動は、高齢者自身の生活に関わる行動への規範や意識が大きく影響するので、高齢者の規範の違いを投影した分析という次の研究目標への進展を考えている。
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Research Products
(2 results)